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前回、検索エンジンや口コミは需要を見るのに最適という話をしました。そこで、実際にお客さんの需要を探るために、インターネットをフルに活用していきます。あなたは人々の声に耳を傾けて解決策を提供するという既に重要なポジションにいると思ってください。世の中の需要を探る簡単な方法は3つあり、「情報共有サイト、商品ランキング、雑誌」が一般的に誰でも確認できる部分です。ですが、この表面を見るだけでは十分ではありません。需要が生まれる背景には、必ず原因というものが存在します。

例えば、痩せたいと思う人は、モテたいという背景があって、彼女が欲しいという部分から発生した需要かもしれませんし、家族のために長生きしたくて健康面で発生した需要かもしれません。需要が発生する原因を突き止めることで商品やサービスの幅が広がっていきます。それではさっそく見ていきましょう!

お悩み・口コミ情報共有サイト

お悩み掲示板では、「Yahoo!知恵袋」や「教えてgoo」のように全ジャンル問わずに悩みや相談が投稿されているサイトもあれば、発言小町のように女性が抱えている悩みに特化した掲示板もあります。大小無数に存在していますが、先の2つのいずれかを利用して、その他はリサーチの延長で利用するくらいでよいです。

あなたが参入しようとしている分野のキーワードを入れて、質問のスレッドが何件くらいあるかを見てください。先ほどの源泉の話でも説明した通り、検索エンジンに入れるキーワードは需要の表れです。質疑応答の多さや頻度は、そのまま市場の大きさに繋がっていると考えていいでしょう。ですが、さらに細分化していく必要があります。

例えば「ダイエット」という単一キーワードでは、ヒット件数が膨れ上がるのも当然で、数万件あるようであれば、もう少しターゲットを絞った方が良いというシグナルです。「ダイエット 二の腕」とキーワードを増やして1000件もあればそれなりの市場です。あとは、どんなことで困っているのか具体的な声や回答を見ていきます。一方、ヒット数が少ないからと言って需要がないわけではありません。ですが、先々の販促も含めたレバレッジを考慮して、あえて最初は飛び込まないようにします。大きな市場でターゲットを絞ってエッジを聞かせる方が、市場規模に比例して販路も整備されているためやりやすいので、スタート段階ではお勧めです。

大きなキーワードで、万人に当てはまるような商品やサービスにした方が売れるのではないかという疑問を持った方もいるかもしれません。ですが、ターゲットを絞る方が結果として人を引きつけます。お客さんに選ばれるためには、あなたがお客さんを選ぶくらいの感覚を持たなくては埋もれてしまいます。

例えば、草津の温泉に行きたい人は、全国温泉ガイドマップよりも、草津温泉ガイドマップを手に取りますよね。日本の地図を確認したい人は、世界地図など購入しません。ピンポイントで響く層に向けるのが正解です。誰もが当てはまるということは、特徴的なものがないと言えてしまいます。絞れば絞るほどエッジが立つと考えてください。ただ、元々需要が少ないキーワードでライバルも不在であれば、あえて絞る必要はありません。市場が成熟していくにつれて絞る作業が効果的になるということです。

また、自分がその分野に詳しくなくとも、悩みの背景を知ることで【提案価値】を上げる際の伝える言葉が見えてきます。生の声はどんどんメモ帳に貼り付けて保存しましょう。あなたが商品を売る文章を書く時に、お客さんに刺さる言葉になる可能性が高いです。

商品のランキング

インターネットでは様々な商品の売れ筋ランキングを見ることができます。商品が売れているということは、秀逸なマーケティングもさることながら、需要があるからこそ売れていると言えます。どんな商品が売れているのかを見ていくことで世の中の需要をキャッチできますが、なぜ売れているのかという視点を持つとヒントも大きく見えてきます。

例えば、その商品、もしくは販売している人が有名だから売れているのか? だとしたら、有名になった背景には何があったのか? 信頼はどこで生まれているのか? お客さんの不安要素をはじめとする購入に対する躊躇の壁は、どのように取り払ったのかを掘り下げていきます。

Amazonや楽天でも各商品のランキングを見ることができます。そこでさらに一歩踏み込んで、なぜ売れているのかという需要を生み出した原因についても必ず着目していきます。

また【提案価値】は販売サイトで確認することができるので、どのようにして商品の価値を提案しているのかは、差別化要素を生み出すためにも必ず確認しておきます。

専門書、情報誌

次に、書籍と情報誌です。私の経験では、編集プロダクションの方も出版社の方も、常に世の中のニーズを探りながら売れる本を研究されています。ベストセラーとなる本には、磐石なマーケティングや圧倒的な著者の認知度なども背景にあるのは確かですが、世の中で売れている本は、ニーズを掴む1つの目安になります。長期的に売れている本、短期的に売れている本をランキングで見ておくことで動きを掴むことができます。

Amazonや楽天ブックス、Oricon styleなどでも調べることができますし、大型書店に出向き推している書籍にはどんなものがあるかを見るのも参考になります。どんな戦略を施したにしろ、売れているものには意味があるという目で見てください。

また、情報誌は表紙だけを見ても、何をメインで推しているかがわかります。特集しているテーマでトレンドを掴むこともできます。ビジネス情報誌は毎号テーマがありますし、組まれている特集は打ち出した根拠が必ずあります。

あなたが参入しようと考えている分野の書籍や雑誌では、どんなものが売れているのか? 特集されている記事や書籍タイトルの傾向など、使える情報がそこには溢れています。その中で口コミ・情報共有サイトで大量にヒットする場合には、ターゲットを絞ることでエッジを立てていきましょう。

今現在ビジネスに取り組んでいる方も、自分が決めた解決するものが広い括りになっていないか確認してみてください。大勢を囲い込もうとすると訴求力が弱り、お客さんに響かない可能性があります。たとえ広く解決できるものであったとしても絞って周囲と差別化した方が効果的です。