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「何を」「誰に」の後は、どのように提案するか? つまり、どのように商品やサービスの魅力を伝えていくかが大切です。商品やサービスを売るためには、差別化が重要であるとよく聞くと思います。でも、この差別化は得てして「実績」「知名度」「信頼度」という3点で適わないと撤退してしまう人が後を絶ちません。先ほど「ダイエット」というキーワードでは市場の規模が大きいので、「ダイエット 二の腕」と絞ることで、低資本でも参入余地がある分野を探していくとお伝えしました。大きなカテゴリでは、絞れば絞るほどオンリーワンの商品に近づいていきますが、これだけでは提案価値としては不完全です。

お客さんは、あなたの解決できるという提案を信じて購入します。物品でもサービスでも、実際に商品を体験してみなければ満足いくものかわかりません。この不確実な部分が、購入を躊躇させる要因になっています。後々感じる体験価値と感動価値は、お客さんが現時点で判断することはできないので、最適な提案で勝負をします。

お客さんに価値があると判断してもらうためには、提案内容が極めて重要です。お客さんの不安を取り除くには、どのように提案すればよいのかを挙げていきましょう。これは、パンフレットでも、ネットで販売するサイトでも同じことが当てはまります。

【提案】メリットがわかりやすく書かれているか

提案の多くはキャッチコピーに集約されています。まずは一目であなたが提案する内容が伝わるかが、その後の判断をしてもらう上でも突破しなければならない部分です。また、商品やサービスの開発秘話や思いなどのストーリーは、お客さんを引き込みます。

【効果】商品を体験した際の効果がイメージできるか

お客さんは、商品そのものではなく、体験して得ることができる未来のために購入を検討します。商品の説明書のような文章で終始しないように伝えていきます。

【工程】商品を手にするまでの工程がスマートか

商品購入にあたっての導線が複雑でないことです。決済方法が簡潔に書かれていて、決済後にどのような形で商品が提供されるのか、わかりやすい流れを作ります。

【商品】商品を体験するのに複雑な部分がなく、わかりやすいか

商品を手にしても体感するまでが複雑で困難なものだと躊躇してしまいます。購入した後に必要となるものがあるのか、効果を得るまでの工程をわかりやすくしていきます。

【安心】販売元や商品の質に安心できる要素があるか

推薦者やお客さんの声、販売実績、メディアへの掲載歴など、販売元の信頼度が示せる判断材料は、お客さんにとって安心感を与えます。

【対応】販売者の対応が誠実か

電話やメールの対応が親切か、相談フォームは質問がしやすいように工夫されているか、販売元のお客さんに対する姿勢がどのようになっているかも大切なポイントです。

【保障】不確実性を回避する提案があるか

商品がイメージしたものとギャップが大きくあった場合、返金保証などの契約を無効にできる提案は許容される率が高くなります。また、効果を得るまでのサポートやバージョンアップの無償提供などの充実も、保証の対象として提案価値を上げます。

【価格】商品価値として妥当と判断できるか

一連の提案を含めて、提案価値は購入に値する価格かどうかの判断となります。プロダクト製品では、効能が同じために価格が一番の比較対象になることは避けられませんが、問題(欲求)を解決するオリジナル商品は、価値の判断は個々のお客さん次第となります。


これらの条件が整ったうえで初めて、購入の後押しとなる要素を加えていきます。後押しばかりが目立って、8つのポイントを見落としている人もいるので要注意です。

【期間・人数・数量の限定】【サービスの付加価値の提供】【値上げ、値下げの価格訴求】

お客さんの背中を後押しする要素は主に3つです。限定性を売りにすることもあれば、おまけ(特典)や関連製品をサービスでつけたり、値下げや値上げという価格訴求でお客さんの動機付けをすることもあります。

また、提案価値の中でも【保障】【訴求】は最後の決定打として大きく左右する部分もあるため、補足の説明をします。

【保障】の代表的な例は、様々な通販ショップでも見かける全額返金保証でしょう。返品率は商品の質により差はありますが、保証内容が容易で例外はなく、速やかな対応を約束しなければ、お客さんにとってのリスク回避には繋がりづらいです。販売者からすると、返金で溢れかえったらどうしようと思うかもしれません。ですが、返金保証を設けることでお客さんが付き50人から100人に増えた場合、返品率が5%だとしても、45人のお客さんが増えたことになります。5人分の返金は45人を獲得するための広告費と考えると価値はあります。誰もが倍の購入数になるとはもちろん限りませんし、満足のいく提供を心がけたいところですが、返金率が5%以内であれば許容範囲と考えましょう。

ただ、商品の提供が情報を中心としたダウンロードコンテンツである場合には、「返金保証」が難しい面も出てきます。お客さんが商品を受け取った時点で、中身はすべて見ることができるので、一定の条件を持つ、あるいはご理解いただける方のみの購入という形でお客さんを絞り込んで、その方々だけを対象にした展開を取るのも1つです。もしくは、何日間で達成できなければ、個別の対面サポートを設けるなど、ユニークサポートを付けることでカバーすることもできます。利益の最大化以前に、自分が付き合っていきたいお客さんを選ぶというのも大切です。

【訴求】はお得感を感じてもらうための要素となります。人数や数量、期間を限定することで限られた人だけが購入できる、もしくは割引価格で購入できるというお得感を提供することに繋がります。ただし、慌てて購入して想像したものとは違ったという誤解も、終了日に近づけば近づくほど多くなるのも特徴です。事前に8つの項目のわかりやすさを徹底することで、誤解による購入は最小限に留めることができます。

また、特典を何でもつければお得感が出るというわけではありません。メインの商品を的確に伝え、さらに特典についてもわかりやすく説明するとなると、お客さんが理解しなければならないことが増えて複雑になります。10個、20個と特典のボリューム感を目的とする場合は別ですが、商品と深く関連性のあるものを数点加える程度で問題ありません。

値下げに関しては、次に打ち出す商品が既にあるかどうかで狙っていくことはできますが、価格競争に巻き込まれた際の値下げという選択は避けなければなりません。価格競争下では、僕達のような小さな資本のビジネスは、大企業ほどの体力がないので資金力で追い詰められてしまいます。サービスや特典などの付加価値は原価が0円ですから、それらを加味して、値段は下げずに上げることを念頭に置いた方が良いです。