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MERCHANT CLUB
コラム 読了目安 約13分

ビジネスコミュニティの選び方。運営12年の側から、入る前に見てほしい5つの基準

24年間、小資金マーケティングを専門として活動している菅智晃です。小資金で年商1億円事業を6つ構築した経験を踏まえて、運営12年目のマーチャントクラブでの出来事や、実体験で得た考え方をお届けしています。

「ビジネスコミュニティ 選び方」と検索すると、おすすめランキングがたくさん出てきます。でも僕は、ランキングでコミュニティを選ぶことをおすすめしません。コミュニティは、機能の比較で選ぶものではなく、文化との相性で選ぶものだからです。そして文化は、料金表にも特典一覧にも載っていません。

僕はビジネスコミュニティを12年運営してきました。運営する側からは、募集ページに写らないものがよく見えます。この記事では、入る前に見てほしい5つの基準と、体験参加のときに確認すること、そして選び方の半分を決めてしまう「入る側の姿勢」について書きます。

コミュニティは、機能ではなく文化で選ぶ。

この記事の結論

  1. 見る基準は5つ。「向いていない人」を明言しているか、文化が言葉になっているか、平熱で何年続いているか、辞める人をどう扱うか、続けられる設計か
  2. コミュニティは情報を受け取る場所ではなく、自分が舞台に立つ場所。「この場でなら舞台に立てそうか」で選ぶ
  3. 選び方の半分は、入る側の姿勢で決まる。どんなに良い場でも、受け身で情報を待っていれば何も起こらない

なお、危険なコミュニティの見分け方は別の記事に書きました。ここでは「まともな場の中から、自分に合う場を選ぶ」話をします。

こういう現場での判断や気づきは、非公開のメルマガ「THE GIFT」でも先にお届けしています。

では、本題に入ります。

ランキングで選んではいけない理由

コミュニティは、入ってみるまで中身が分からない商品です。教材なら目次を見れば見当がつきますが、コミュニティの価値は「そこにいる人」と「文化」で決まるので、募集ページにはほとんど写りません。ランキング記事が比較しているのは、料金、特典の数、会員数、開催頻度。つまり、写るものだけです。

運営側の立場で言うと、募集ページの出来と場の中身は、ほとんど関係がありません。特典が20個ある場より、定例会と交流がきちんと回っている場の方が、長く価値があります。だから比較表で選ぶと、いちばん大事なものを見ないまま決めることになる。以下の5つは、どれも比較表に載らない基準です。

基準1. 「向いていない人」を明言しているか

「誰でも歓迎」「初心者からプロまで」という募集は、一見親切に見えます。でも、まともな運営者ほど入口を絞ります。自分が幸せにできる人は限られている、と知っているからです。こういう人なら導ける、こういう人は合わない。それを先に言うのは、突き放しではなく意思表示です。

これは採用の面接と同じです。「頑張ります」という言葉を、僕はあまり重視しません。その瞬間の気持ちは本当でも、1週間後に「やっぱりやめよう」と思う気持ちもまた本当だからです。見るべきは、やる気の言葉ではなく、実際に合うかどうか。コミュニティも同じで、やる気で人を集める場より、「合う人」を先に定義している場の方が、入った後に幸せになれる確率が高い。

「誰でも歓迎」の場 やる気の言葉で、誰でも入れる 合わない人が混ざる 半年後:文化が薄まり、人が抜ける 入口を絞る場 「向いていない人」を先に書く 入る人は減るが、合う人が残る 半年後:文化が濃くなり、人が育つ
図1. 入口の絞り方が、半年後の場の中身を決める

逆に言うと、誰でも歓迎の場は、選別を放棄しています。会費を払ってくれるなら誰でもいい、の裏返しであることが多い。だから僕は、募集ページに「向いていない人」が書いてあるかを、いちばん最初に見ます。

基準2. 文化が、言葉になっているか

何を大切にする場なのか。何を良しとして、何をしないのか。これが言葉になっているかを見てください。文化のない場は、人が増えた瞬間に崩れます。逆に文化がある場は、代表が前に出なくても回ります。

僕自身の失敗を書くと、マーチャントクラブを始めたとき、文化を先に設計するという発想がありませんでした。後からその大切さを知って、僕が大切にしてきた言葉を「僕個人の言葉」としてではなく「場の文化」として根づかせるのに、1年から1年半かかりました。文化は本来、立ち上げのときからあるべきものです。

ここで一つ、注意して見てほしいことがあります。「代表個人のカリスマ」で回っている場は、その人が疲れたら終わります。代表の言葉が文化として継承され、代表以外の人が同じ言葉で場を語れるかどうか。体験参加で、代表以外のメンバーに「この場は何を大切にしていますか」と聞いてみてください。言葉が返ってくる場は、文化があります。

基準3. 熱が落ち着いた後、何年「平熱で」続いているか

コミュニティは、立ち上げの初期に必ず盛り上がります。投稿も書き込みも一気に増える。難しいのは、その熱が落ち着いた後です。平熱の状態でいかに続けるか。これは運営していて、いちばん難しいテーマです。

だから、年数を見るときは「何年あるか」ではなく「熱が落ち着いた後、何年平熱で続いているか」を見てください。1年目の熱狂は、誰でも作れます。5年目の平熱は、文化がなければ作れません。これは料金表に載っていない、最も正直な数字です。

こういう「場の内側で本当に起きていること」は、メルマガ「THE GIFT」で先に書いています。

基準4. 辞める人を、どう扱っているか

関係を築いた人が、別の挑戦へ進んでいくことがあります。それを送り出せる場かどうか。僕は、小学校6年生の担任の先生の感覚だと思っています。送り出して、また新しい人が入ってくる。その新陳代謝が、場に新しい風を吹かせます。

囲い込めば囲い込むほど、メンバーの可能性は狭まります。退会に強い引き止めがある場、外部の学びを嫌がる場は、あなたの可能性ごと囲い込みます。逆に、合わないと分かったら別の場や別の専門家を勧めてくれる運営者は、あなたの人生を運営の都合より優先している人です。

これは体験参加では見えにくいので、募集ページや運営者の発信で「辞めた人のことをどう語っているか」を見てください。辞めた人を悪く言う場は、いつかあなたのことも悪く言います。

基準5. サービスの多さではなく、続けられる設計か

コミュニティを設計するとき、運営者はついサービスを盛り込みたくなります。定例会も、勉強会も、講義動画も、個別相談も、交流会も、特典も。でも盛り込みすぎると、運営が続けられなくなる。1ヶ月ならできても、長期では負担になる。だから僕は、支部の形をあえてシンプルにしています。

特典が盛りだくさんの場 募集時:20個の約束 運営が全部を回せない 1年後:約束が形骸化 シンプルな場 定例会と交流だけ 需要がなければ壊す 1年後:核が回り続ける
図2. 盛りだくさんは魅力ではなく、続かない設計の裏返し

マーチャントクラブでは、いろいろな企画を作りますが、需要がなければ壊す、と最初に伝えています。人が来ないものは壊して、また生み出す。それを言っておかないと、すべてをやり続けなければならなくなるからです。「全部やり続けます」と約束する場より、「合わなければやめます」と言える場の方が、長く続きます。

もう一つ、その場が「コミュニティである必要があるか」も見てください。1つのテーマを深く学びたいだけなら、講座で十分です。多業種の人が交わって、知見が広がり、お互いの苦手を補い合い、そこから案件や協業が生まれる。それがコミュニティにしかない価値です。講義動画が届くだけの場を「コミュニティ」と呼んでいるなら、名前と中身がずれています。

ランキングが見るところと、運営側が見るところを一覧にする

比較表に載る項目と、載らない項目を並べておきます。

観点ランキングが見るところ運営側が見るところ
入口会員数の多さ「向いていない人」が書いてあるか
文化代表の知名度・実績代表以外の人が、同じ言葉で場を語れるか
年数設立年熱が落ち着いた後、何年平熱で続いているか
出口(載らない)辞めた人をどう語っているか。送り出せるか
サービス特典の数・開催頻度核が回っているか。需要がなければ壊せるか
お金月額の安さ会費が運営者の売上のすべてになっていないか

体験参加で確認すること

体験参加やゲスト参加ができるなら、必ず行ってください。募集ページには写らないものが、その場では見えます。見るところを、質問の形にしておきます。

CHECK LIST

  • 自分の実践や失敗を報告している人がいるか(情報を受け取るだけの人ばかりではないか)
  • 結果を出している人が、質問攻めで消耗させられていないか(アウトプットする人を守る設計があるか)
  • 代表以外のメンバーが、「この場が大切にしていること」を自分の言葉で言えるか
  • 運営者が、参加者一人ひとりのことを知っているか(人数を誇るだけになっていないか)
  • 初参加の自分に、誰かが声をかけてくれるか(新しい人を迎える文化があるか)
  • 多業種の人がいて、自分にない知見を持つ人と話せそうか
  • 「この場でなら、自分は舞台に立てそうか」と感じるか

2つ目について補足します。ある実践会の運営者は、飛び抜けて結果を出している人が投稿すると周りが質問を浴びせ、その人が答えなければと思ってアウトプットをやめてしまうのを防ぐために、個別の質問を禁止していました。実践者が安心して報告できる場を守る設計です。コミュニティの本当の価値は、最新情報が飛び交っていることではなく、自分の実践を分かってくれる人の前で報告できることにあります。

選び方の半分は、あなたの姿勢で決まる

ここまで場の選び方を書いてきましたが、正直に言うと、成果の半分は入る側の姿勢で決まります。コミュニティは、情報を受け取る場所ではなく、自分が舞台に立つ場所です。どんなに良い場でも、受け身で情報を待っていれば、何も起こりません。

運営する側から言うと、「質問してください」と言っても、質問する人は少ないんです。だから、良い意味で真に受けて、どんどん質問し、どんどん実践してほしい。僕は、自分をうまく利用してほしいと思っています。1年以内に勉強会の講師として登壇する。異業種の成功事例を自社に活かす。そのまま異業種に取り組む。使い方はいろいろあって、そこがコミュニティの面白さです。

だから最後の基準は、これです。「この場でなら、自分は舞台に立てそうか」。料金でも特典でもなく、その一点で選んでください。舞台に立てそうな場なら、多少の欠点があっても、あなたは伸びます。舞台に立てない場なら、どんなに特典があっても、在庫が増えるだけです。

よくある質問

Qおすすめランキングの記事は、参考にならないのですか?

候補を知るためには役立ちます。ただ、ランキングが比較しているのは料金・特典の数・会員数といった「募集ページに写るもの」だけです。コミュニティの価値を決める「人」と「文化」は写りません。候補を絞ったら、この記事の5つの基準と体験参加で、写らないものを自分の目で見てください。

Q月額はいくらくらいが適正ですか?

金額そのものより、「会費が運営者の売上のすべてになっていないか」を見てください。会費だけで食べている運営者は、構造的に新規集客を追いすぎて、合わない人でも迎えてしまいます。安くても高くても、運営者がコミュニティ以外の事業を持っているかどうかの方が、場の健全さを左右します。

Qオンラインとリアル、どちらがいいですか?

きっかけはオンラインで作れますが、関係が育つのは同じ空気を吸う時間です。両方ある場が理想ですが、どちらか一方なら、定期的にリアルで会う機会が組み込まれている場を勧めます。多業種の人と偶発的な雑談ができる環境は、リアルの方が圧倒的に作りやすいからです。

Q入会前に、中を見ることはできますか?

体験参加やゲスト参加の仕組みがある場なら、必ず使ってください。仕組みがない場は、それ自体が一つの判断材料です。中を見せられない理由があるか、見せる自信がないかのどちらかだからです。体験参加では、上のチェックリストの7項目を見てください。

Q複数のコミュニティを掛け持ちしてもいいですか?

いいと思います。むしろ、掛け持ちを嫌がる場の方を疑ってください。囲い込む場ほど、メンバーの可能性は狭まります。自由に外で学んで、戻ってこられる場が健全です。ただし、どこでも受け身なら、掛け持ちしても在庫が増えるだけなので、舞台に立つ場を1つ決めることを勧めます。

Q入ってみて合わなかったら、どうすればいいですか?

辞めていいです。そして、辞めるときの扱いを見てください。送り出してくれる場、別の場を勧めてくれる運営者なら、それは健全な場だった証拠です。強い引き止めが入る場は囲い込みの構造そのものなので、迷わず離れて大丈夫です。合う場は、焦って探すものではありません。

まとめ。「この場でなら、舞台に立てそうか」

ビジネスコミュニティは、機能ではなく文化で選ぶものです。「向いていない人」を明言しているか。文化が言葉になっているか。熱が落ち着いた後、何年平熱で続いているか。辞める人をどう扱っているか。サービスの多さではなく、続けられる設計か。この5つは、どれも比較表に載りません。

そして、選び方の半分は、あなたの姿勢で決まります。コミュニティは情報をもらう場所ではなく、自分が舞台に立つ場所です。候補を絞ったら体験参加に行って、最後はこの一点で選んでください。「この場でなら、自分は舞台に立てそうか」。

合う場は、焦って探すものではないと思っています。見極めてから、来てください。

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マーチャントクラブ主宰 菅智晃

WRITER菅 智晃(すが ともあき)

マーチャントクラブ主宰。2003年からWebマーケティングの実務に立ち、2014年にビジネスコミュニティ「マーチャントクラブ」を開設。延べ参加者数9,576名。会員の商業出版は18冊、著書2冊・監修4冊。

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