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異業種交流会が意味ないと感じる理由。24年で見てきた、つながる人と名刺だけで終わる人の違い

24年間、小資金マーケティングを専門として活動している菅智晃です。小資金で年商1億円事業を6つ構築した経験を踏まえて、運営12年目のマーチャントクラブでの出来事や、実体験で得た考え方をお届けしています。

異業種交流会に行った。名刺は増えた。仕事にはならなかった。「異業種交流会 意味ない」と検索する気持ちは、よく分かります。僕は事業を24年、交流の場を作る側を12年やってきて、名刺の山だけが残る人と、そこから仕事や長い関係に変えていく人の両方を、数え切れないほど見てきました。

先に結論を書くと、意味がないのは交流会ではなく、「受け取りに行く」という姿勢の方です。これは参加者を責める話ではありません。ほとんどの人が、場の使い方を誰にも教わっていないだけです。

交流会は、宝くじ売り場ではない。

この記事の結論

  1. 名刺交換が仕事にならないのは構造。全員が「受け取る側」で集まると何も起こらず、1000人と知り合っても濃いつながりは作れない
  2. つながる人の共通点は3つ。応援する側に回る、その場の舞台に立つ、少数と深く付き合う
  3. 行かなくていい会もある。見分け方は「何度も来ている実践者がいるか」。取る目的の人しかいない場に、人は定着しない

この記事では、名刺交換が仕事にならない構造と、実際につながった人がやっていたことを、場を作る側の立場から書きます。

こういう現場での判断や気づきは、非公開のメルマガ「THE GIFT」でも先にお届けしています。

では、本題に入ります。

名刺交換が仕事にならない、構造的な理由

1000人、2000人と知り合っても、濃いつながりを持つことはできません。これは僕の実感です。人が一度に深く関われる人数には限界がある。だから、知り合った人数を増やすゲームは、原理的に薄まっていきます。名刺が100枚あることと、頼れる人が1人いることは、まったく別のことです。

もう一つ、交流会には構造的な問題があります。「何かもらえないか」と考えている人同士が名刺を交換しても、何も起こりません。全員が受け取る側だからです。情報が欲しい人と、情報が欲しい人。仕事が欲しい人と、仕事が欲しい人。この組み合わせから生まれるのは、名刺の山だけです。

全員が「受け取る側」の場 自分 矢印は全部「もらう」向き。名刺だけが残る 「出す側」がいる場 自分 応援・紹介の矢印が外へ向く。人が人をつなぐ
図1. 交流会で何も起こらない構造と、つながりが生まれる構造

だから、意味がないのは会そのものではありません。受け取る側しかいない場に、受け取る側として行くから、何も起こらない。矢印の向きを変えるだけで、同じ会がまったく違う場所になります。

「意味ない」を作っているのは、たいてい自分の姿勢

もし僕が今ゼロから始めるなら、どうするか。何かのコミュニティや輪に入って、その中でダントツに目立つ。企画の手伝いをさせてもらい、学びをどんどんシェアしていく。主催者に対談をお願いする、取材する、取材した相手に紹介してもらう。そうやって露出を増やしていきます。

ものを売るためには、まず自分の声を遠くに届ける必要があります。最初にブログで何かを書いても、誰にも届かない。だから、いろいろな輪の中に入り、プレッシャーをもらいながら動く。交流会は、その「輪」の入口としては悪くない場所です。ただし、名刺を配って帰る場所ではなく、自分の実践量を見せる場所として使う場合に限ります。

凄まじい実践量を見せながら、こうなっていくという過程を発信する。その過程に共感して、一緒に学びたいと思う人が出てくる。声が遠くに届くのは、その順番です。名刺を配り歩くより、自分の挑戦を1回話す方が、よほど覚えられます

共通点1. 応援する側に回っている

僕が駆け出しの頃の業界には、「いかに相手を応援できるか」で目立つような空気がありました。そして今でも、伸びる人はそれをやっています。自分が目立とうとすると疲弊する。誰かを引き上げる人は、覚えられる。

クラブの仲間に、音声配信で「フォロワーは少ないけれど実力がある人」を紹介し続けている人がいます。ある配信では、紹介された側のフォロワーが2日で150人近く増えました。紹介した本人は、何も受け取っていません。でも彼は、「この人は実はすごいんだよ」と知らせられる人になりたい、と言っていました。数字だけでは見えない人を表に出せる力を持ちたい、と。

影響力は、毎年4割くらい名前が入れ替わっていく感覚があります。フォロワー数という分かりやすい数字を追い続ける戦い方は、そのまま消耗戦になる。一方で、信用力や紹介力は、積み上がったまま減りません。この「引き上げる力」こそが、10年続く信用になります。交流会で最初にやるべきことは、売り込みでも名刺集めでもなく、その場で気になった人を、後日誰かに紹介することです。

共通点2. その場の「舞台」に立っている

多くの人は、交流の場やコミュニティに入れば情報が得られると考えます。でも本当の使い方は逆で、そこに情報を提供し、自分がその場を踏み台にしていくことです。交流の場の本当の価値は、情報を受け取ることではなく、自分の実践を見てくれる人がいることにあります。

自分の失敗や挑戦を報告した時に、「それはすごい」「参考になります」と反応してくれる人がいる場所は、実践を続ける力になる。そして、実践とアウトプットがある人は、必ず見られています。数ヶ月後に登壇や協業の声がかかるのは、いつもそういう人です。

受け取りに行く人 名刺を集める お礼メールを送って終わり 1年後:誰も覚えていない 舞台に立つ人 挑戦を1つ話す 実践と失敗を報告し続ける 紹介・登壇・協業の声がかかる
図2. 同じ会に出ても、1年後に残るものが違う

これは、ある実践者から聞いた話ですが、別のコミュニティで自分の失敗をたくさん投稿していたら、主催者に止められたことがあったそうです。それでも数ヶ月後には、講師の依頼が来た。実践とアウトプットがある人は、見られているんです。舞台に立つとは、目立つことではなく、自分の実践を隠さないことです。

こういう「場を踏み台にした人」の実例は、メルマガ「THE GIFT」で先に書いています。

共通点3. 広く浅くをやめて、少数と深くやっている

その場で気が合った2、3人と、後日もう一度会う。これだけで、100枚の名刺より濃い関係になります。少数でしっかり輪を深めていく場には、人生が変わるほどの価値があります。

そして、関係の距離が変わると、接し方も変わります。僕は人との関係を3段階くらいに分けて考えています。自分の活動を知っていて、自分が誰かもよく知っている人。自分のことは知らないが、自分の課題には気づいている人。何かを解決しなければならないが、まだ道筋が立っていない人。この3つでは、必要な言葉が違う。

最も近しい人に「改めまして、こんにちは」の説明は不要で、むしろその不要なパーツが熱を冷まします。交流会で全員に同じ自己紹介と同じ売り文句を配っている人は、距離の違いを無視している。2回目に会う人には、2回目の話をする。それができる相手を数人作る方が、名刺の枚数を増やすよりずっと早く仕事につながります。

名刺で終わる人と、つながる人を一覧にする

同じ会に出ていても、1年後に残るものが分かれるところを並べておきます。

場面名刺で終わる人つながる人
行く目的仕事や情報を「もらう」応援できる人を見つける
会場での話自分の売り込みと肩書きいま挑戦していることと、その失敗
会った人数できるだけ多く名刺を配る気が合った2、3人と深く話す
会の翌日一斉のお礼メール気になった人を、別の誰かに紹介する
その後次の交流会を探す同じ2、3人ともう一度会う
1年後名刺の山。誰も覚えていない紹介・登壇・協業の声がかかる

行かなくていい会の見分け方

念のため書いておくと、姿勢を変えても無駄な会はあります。当てはまる数が多い会には、行かなくて大丈夫です。

CHECK LIST

  • 何度も来ている実践者がいない(取る目的の人しかいない場に、人は定着しない)
  • 主催者が、参加者を「見込み客の山」としか見ていない
  • 売り込みと勧誘だけが目的の人が、参加者の大半を占めている
  • 「みんなで稼ぐ」型の言葉が飛び交っている(「みんな」という人はいない。稼ぐのは買った本人)
  • フォロワー数や肩書きの数字がないと、人として相手にされない空気がある
  • 挑戦や失敗の話をすると、場が白ける
  • 2回目に会う人が、毎回いない

5つ目について補足します。クラブの仲間が、あるインフルエンサーのイベントに3年ぶりに出て、数字を持っていないと人間として相手にされない空気を感じた、と話していました。そういう場は、戦う場所が違うだけです。彼はそこで戦うのをやめて、地方で1番になる道を選びました。地方戦で1番を取れば、その肩書きで次の挑戦権を得やすい。場の選び方は、戦い方の選び方でもあります。

僕自身は、影響力より紹介力を選びました

偉そうに書いてきましたが、僕も昔は、紹介力で事業を大きくしてきました。メルマガが中心だった頃、紹介してくれる相手が50名ほどいて、リリースの前にはスケジュールを伝え、売れやすい波を一緒に作っていた。最初に1000本売るための流れを作り、1000人に売れたらリアルセミナーを開き、その1割くらいが来て50名規模になる。

ここで大事なのは、売り方の話ではありません。その流れで出会った人の中に、今もマーチャントクラブに8年在籍してくれている人がいる、ということです。きっかけ作りが、関係に変わった。交流会で言えば、名刺が関係に変わる瞬間は、必ず「一緒に何かをした」ときにしか来ません。

その後、僕は影響力の維持を手放しました。自分が目立つより、実力ある人を引き上げる側に回る方が、長く続くと分かったからです。だから今も、交流会で最初にやることは変わりません。すごいと思った人を、次の日に誰かに紹介する。それだけです。

よくある質問

Q異業種交流会は、結局行く意味がありますか?

「受け取りに行く」なら、ありません。「応援する側で行く」なら、あります。同じ会でも、矢印の向きで結果が変わります。名刺を集めるのではなく、気になった人を後日誰かに紹介する、自分の挑戦を1つ話す、気が合った2、3人ともう一度会う。この3つをやる前提なら、行く意味は十分にあります。

Q名刺は何枚くらい交換すればいいですか?

枚数は成果と関係ありません。1000人、2000人と知り合っても、濃いつながりは持てないからです。目安にするなら「2回目に会う人が2、3人できたか」です。100枚の名刺より、もう一度会う3人の方が、仕事にも関係にもなります。

Q人見知りで、交流会そのものが苦手です。

無理に行く必要はありません。声を遠くに届ける手段は、交流会だけではないからです。自分の実践量を発信で見せる、誰かの企画を手伝う、取材や対談をお願いする。輪の中で目立つ方法はいくらでもあります。行くなら、会場で目立とうとせず、1人だけ深く話す相手を見つけることに絞ってください。

Q初めて参加するなら、どんな会を選べばいいですか?

「何度も来ている実践者がいる会」を選んでください。取る目的の人しかいない場には、人が定着しません。逆に、挑戦や失敗を話しても白けない場、2回目に会う人がいる場は、健全に回っています。主催者が参加者を見込み客としか見ていない会は、姿勢を変えても無駄なので避けて大丈夫です。

Qオンラインの交流会でも同じですか?

基本は同じで、応援する側に回る人がつながります。ただ、オンラインは「きっかけ」を作る場としては優れていますが、関係を育てるには同じ空気を吸う時間が効きます。オンラインで知り合い、気が合った人とはリアルで会う。その順番が、いちばん早く濃くなります。

Q成果が出るまで、どのくらいかかりますか?

紹介や登壇の声がかかるのは、実践とアウトプットを続けている人に、数ヶ月後にやってきます。一方で、影響力は毎年4割くらい入れ替わる消耗戦です。すぐに仕事が欲しい気持ちは分かりますが、交流会は即効薬ではなく、信用と紹介力を積む場所だと思っておいてください。積み上がったものは、減りません。

まとめ。行くかどうかより、どちらの側で行くか

異業種交流会は、宝くじ売り場ではありません。受け取りに行く人には、何も起こらない。全員が受け取る側の場からは、名刺の山しか生まれません。

応援する側に回る。その場の舞台に立って、自分の実践を隠さない。広く浅くをやめて、少数と深く付き合う。この3つをやる人には、名刺の枚数と関係のないつながりが生まれます。

行くかどうかより先に、どちらの側で行くかを決めてください。そして行ったら、すごいと思った人を、次の日に誰かに紹介してください。それが、僕が24年やってきたことのほとんど全部です。

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マーチャントクラブ主宰 菅智晃

WRITER菅 智晃(すが ともあき)

マーチャントクラブ主宰。2003年からWebマーケティングの実務に立ち、2014年にビジネスコミュニティ「マーチャントクラブ」を開設。延べ参加者数9,576名。会員の商業出版は18冊、著書2冊・監修4冊。

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