24年間の実体験を無料配信 無料個別相談(月5名限定)
お問い合わせ
MERCHANT CLUB
コラム 読了目安 約15分

経営者の孤独をやわらげるには?立場から生まれる理由と、仲間とつながる3つの方法

マーチャントクラブは、2014年に開設した経営者のためのビジネスコミュニティです。このコラムでは編集部が、クラブで見てきたことや主宰・菅智晃の考え、公的なデータをもとに、経営者の悩みに役立つ情報をお届けしています。

誰にも言えない迷いを抱えたまま、一人で決断を重ねている経営者は少なくありません。その孤独は、性格や人望の問題ではなく、立場の構造から起きるものです。つながり方さえ分かれば、孤独はきっと軽くしていけます。

孤独は、性格ではなく構造で起きます。なので、きっと軽くしていけます。

この記事の結論

  1. 経営者の孤独は「最終決定を一人で負う」「本音を話せる相手が組織の中にいない」「SNSで比較が止まらない」の3つでできている
  2. 実際に効いた対処は3つ。人に会いに行く、考えを持って相談する、自分の価値を利益だけで測らない
  3. 相談は待っていても来ない。周りは気にかけていても、求められなければ踏み込めない。声をかけるのは自分から

マーチャントクラブには、2014年の開設以来、多くの経営者が集まってきました。この記事では、孤独が深まる構造と、実際に効いた3つの対処、そして経営者仲間とのつながり方をお伝えします。記事の中の主宰・菅智晃の話は、菅が毎週配信している音声番組「休日会議」での発言がもとです。読み終えたとき、少しでも気持ちが軽くなっていたら嬉しく思います。

では、本題に入ります。

*

経営者が孤独を感じるのはなぜ?性格ではなく構造の問題です

経営者が孤独になるのは、最終決定を一人で負い、迷いを共有する相手が組織の中にいないからです。会社員には同僚がいて、愚痴を言える相手が仕組みとして用意されています。経営者には、その相手がいません。

従業員には弱音を見せにくく、家族には事業の判断まで背負わせられず、友人には前提の説明だけで時間がかかります。相談相手がいないのは人望の問題ではなく、立場の構造で起きることなので、つながり方しだいで軽くしていけます。

決断を、一人で負う 本音を話せる相手が、いない SNSで「すごい人」と比べる 「自分はダメだ」と追い込む さらに話せなくなる この循環は、意志の弱さではなく構造で回る

*

相談相手は「つながる機会」があれば見つかる

相談相手がいない経営者の多くは、相談したくないわけではありません。相談できる相手と、まだつながっていないのです。中小企業庁の「2020年版 小規模企業白書」では、雇用の無い事業者のうち、製造業で約5割、非製造業でも約4割が日常の相談相手を持っていないと報告されています。その理由として約7割が挙げたのが、「適切な相談相手とのつながりがないから」でした。

同じ白書では、相談相手を持つ人ほど、直近5年の経常利益が「増加」と答える割合が高いという結果も出ています。相談相手がいるかどうかは、気持ちの問題にとどまらず、経営の数字にまで表れるのです。

出典:中小企業庁「2020年版 小規模企業白書」第3部第2章第4節 日常の相談相手の活用

*

SNSで比べてしまうときは、比べ方を変える

比べることは自然に起きることで、悪いことではありません。人は社会の中で手を取り合って生きているので、「こういう人がいるから、自分はこの役回りで行こう」と立ち位置を確かめるのにも比較は役立ちます。

苦しくなるのは、必要以上に比べてしまったときでしょう。誰かに認められたい気持ちが強かったり、勝ち負けで考える癖があったり、自分に自信がなく周囲の評価を気にしすぎていたりすると、比較は「自分はダメだ」という方向に働きやすくなります。しかもSNSを開けば、すごい人がいくらでも目に入ってきます。

主宰の菅智晃は、「承認欲求」と「自己顕示欲」を分けて考えています(休日会議#488)。承認欲求は誰かに認められたいという受け身の願望で、自己顕示欲は前に出たい、中心になりたいという方向の欲求です。菅自身は裏方に回りたいタイプですが、認められたい気持ちはあったといいます。特定の大切な人に認められたいという気持ちは、力になるものです。ただ、大衆に認められたいと考え始めると、とたんに苦しくなります。

勝ち負けも同じです。勝ちに行くタイミングは楽しく見えますが、1位を取ると今度は追われる立場になります。菅は、金額や順位だけで勝ち負けを決め続ける世界は自分には合わなかったと話しています。自分の物差しを持てば、比べることはもっと楽になるはずです。

*

自信の正体は、ホームランではなくヒット

孤独を軽くする自信は、一発で当てる自信ではなく、こけても最終的に何とかするという自信です。菅は「周囲がどう思おうが成果は出せる」という自信がつくと、周りの評価に振り回されなくなったと話しています(休日会議#488)。

その自信は、毎回成功できるという意味ではありません。こけることもあるでしょう。それでも「最終的には何とかする」「食べていく分には何とかなる」と思えるのが、ここで言う自信です。菅はこれを「ホームランは打てなくても、ヒットなら出せる」と表現しています。

ホームランを打たなければ認められないと思っている間は、弱音を吐くことも、人と組むことも難しくなります。 自信の基準を「一発で当てる」から「最終的に何とかする」に置き直すと、肩の力が抜けて、人に相談できるようになっていきます。

*

一人で抱え込まないために、実際に効いた3つの方法

効いた対処は、人に会いに行くこと、考えを持って相談すること、自分の価値を利益だけで測らないことの3つです。

01人に会いに行く

菅が悩んだときの解決策は、人と会うことだといいます(休日会議#488)。ノートに気持ちを書き出すことも大切ですが、それで前に進めないなら、Zoomではなく実際に会いに行くのがいいそうです。顔を合わせて話すだけで、止まっていたものが動き出すことは少なくありません。一人で考え込む夜より、誰かと会う1時間のほうが、ずっと前に進めます。

02考えを持って相談する

相談は、自分の考えを整理して持って行くと深くなります。番組で菅と一緒に話している仲間は、人と会う前に「今こう思っていて、こうしようと思っているんですけど、どう思いますか」と聞ける状態にしておくと話していました(休日会議#488)。そのほうが、相手も具体的に答えられます。

ノートに書き出すのは、自分だけで終わらせるためではなく、人に話す前の整理のためです。「書いて、会って、話す」。その繰り返しで、一人では見えなかった次の一手が見えてきます。

よくある持ち込み方 「悩んでいます」 相手「何に?」で止まる 具体的に答えにくい 効いた持ち込み方 今、こう思っている こうしようと思っている どう思いますか 「あなたなら、どうしますか?」 相手は具体的に返せる

03自分の価値を、利益だけで測らない

人と比べて自信をなくすと、自分には提供できるものがない、価値がないと思ってしまうことがあります。でも、利益は尺度の1つにすぎません。

技術だけを見ると、自分よりできる人は必ずいます。ところが、関係まで含めて見ると、話は変わってくるものです。菅は「この人とは考え方が4つ共通している」「この人にはこういう目標がある」と細かく見ていくと、「この人の能力を引き出せるのは自分しかいない」と思える相手が出てくると話しています(休日会議#488)。あなたにしかできない役割は、きっとどこかにあります。

*

経営者仲間と、どうつながるか

経営者仲間とつながるには、少人数で、言葉を交わし続けられる場に身を置くことです。先ほどの白書でも、相談相手がいる人ほど、経営者が集う会合や団体に参加している割合が高いという結果が出ていました。

マーチャントクラブは2014年に開設し、2026年には延べ参加者が約1万人になりました。いま本部を支えているメンバーは、出会った当時、会員でも友人でもなかった人たちだと菅は話しています(休日会議#627)。言葉を交わし続けるうちに、長い時間をかけて、本部を支えてくれる存在になっていったのです。

つながりは、大人数のZoomよりも、共通点のある少人数のほうが深まります。菅も、月1回のグループコンサルに加えて、少人数での壁打ちを一年中続けています。人のページを見て終わらず、一言メッセージを送ってみてください。会えなくても、メッセージを送り続けるだけで関係は深まっていきます。菅にとってこれは戦略ではなく、人が好きで続けていることです。一言のメッセージから、あなたも始められます。

*

一人社長に必要なのは「見てくれる人」

一人社長の孤独は、相談相手がいないことに加えて、取り組みが誰の目にも入らないことです。従業員がいる経営者は日中に誰かと言葉を交わしますが、一人社長は誰とも話さない日が普通にあります。

マーチャントクラブでは2026年の年明けに、会員が今月の目標や取り組み、小さな学びを投稿する「進捗報告室」を始めました(休日会議#613)。仕事だけでなく、月に200km走るといった人生の取り組みも投稿されています。ある会員の投稿が別の支部の代表を刺激し、その代表がメルマガで紹介するという広がりも生まれました。

右往左往している過程は、本人が思うよりずっと面白いものです。2026年の本部の定例会で登壇したある会員は、1年間の検証を文章と画像で記録していて、1年前と今の違いを見せてくれました(休日会議#627)。結果だけでなく、仮説、やってみて駄目だったこと、次の仮説まで入っていたからこそ、聞いている人に伝わったのでしょう。一人社長がまずやるべきは、取り組みが見える場所に日々を置くことです。 見えていれば、応援してくれる人はきっと現れます。

*

やりがちなことと、効いたことの一覧

孤独なときにやりがちなことと、実際に効いたことを並べます。

観点ひとりで抱えるとき効いたこと
悩んだときノートに書いて、それで終わる書いてから、人に会いに行く
SNSを見たときすごい人と比べて「自分はダメだ」比較を、自分の役回りの確認に使う
自信の基準一発で当てなければ認められないこけても最終的に何とかする
自分の価値利益と数字だけで測る関係と、自分にしか引き出せないものまで含める
相談の仕方「悩んでいます」とだけ伝える「こう思っていて、どう思いますか」まで持って行く
相談の順番誰かが気づいてくれるのを待つ自分から声をかける

*

一人で抱え込みすぎていないか、確かめたいこと

当てはまる数が多いほど、早めに人に会ったほうがいい状態です。当てはまっても、慌てなくて大丈夫です。気づけたことが、もう最初の一歩になっています。

CHECK LIST

  • 本当の数字と本当の不安を、誰にも話していない
  • SNSを見て「自分はダメだ」と思う時間が増えた
  • 売上や順位の勝ち負けだけで、自分の価値を測っている
  • 相談したい相手はいるのに、声をかけられずにいる
  • 自分の悩みを「大したことない」と自分で片づけている
  • 最後に人と会って本音を話したのがいつか、思い出せない

5つ目について補足します。誰かにとって重たい悩みが、別の誰かには軽く見えることがありますし、その逆もあるでしょう。それでも、悩みは本人にとって平等に重いものです。他人の基準で、自分の悩みを軽く扱わないでください。

*

主宰の菅が「相談してほしい」と話す理由

菅にも、認められたい気持ちはあったといいます(休日会議#488)。独立してから1冊目の本を出すまでは、周りが応援してくれても親だけは反対していたので、親に認めてもらいたかったそうです。「一方的に憧れている人に認めてもらえたら最高だ」と思ったこともあると話しています。

菅は、正解が分からない分野にこそ飛び込んでいくタイプです。それでも、未知の分野に入れば、知っている人にとっては簡単なことで立ち止まることもあるといいます。比較で苦しくなる人の気持ちは、菅にとっても他人事ではないのです。

菅は「困っていたら相談してほしい」と話しています。周りの人から「最近、あの人が落ち込んでいるらしい」と耳にすることもありますが、求められていないのに、こちらから踏み込むのは難しいものです。周りは、あなたが思っている以上にあなたを気にかけています。 声をかけてもらえるのを待っている人は、きっといるはずです。菅は、相談された内容を外に出さないことも約束しています。安心して、声をかけてみてください。

*

よくある質問

Q経営者は、なぜこんなに孤独になりやすいのですか?

最終決定を一人で負う立場で、迷いを共有する相手が組織の中にいないからです。性格や人望の問題ではないので、自分を責めなくて大丈夫です。

Q家族や人間関係の悩みも、相談していいのですか?

はい、とても多いです。身近な人との関係ほど社内では話しにくく、つい一人で抱え込みがちです。人間関係の悩みを誰に話せばいいかは、[経営者は誰に相談すればいい?](https://merchantclub.biz/column/soudan-aite/)でまとめています。

Q誰に相談すればいいですか?

専門家と経営者仲間を、悩みによって使い分けるのがおすすめです。相手の選び方と頼り方は、[経営者は誰に相談すればいい?](https://merchantclub.biz/column/soudan-aite/)で詳しくまとめています。

Q相談したら、弱い人だと思われませんか?

いいえ。主宰の菅は、よく会う人やよく話す人ほど、認めているからこそ踏み込んだ話をするといいます。相談してくれる人は、「この人には話せる」と信頼してくれた人です。周りは求められないと踏み込めないので、声をかけてもらえるのを待っています。

Q落ち込みが長く続いて、仕事にも影響が出ています。どうすればいいですか?

眠れない、判断ができないといった状態が長く続いて生活に支障が出ているなら、相談する相手は経営者仲間ではなく、医療の専門家になります。それは弱さではなく、事業を続けるための大切な一歩です。この記事で書いた対処は、その手前の段階の話だと受け取ってください。

Q一人社長で、そもそも話す相手が周りにいません。どうすればいいですか?

相談相手を探す前に、取り組みが見える場所を1つ作ってください。目標と途中経過を投稿する場があるだけで、周りが声をかけやすくなります。一人で抱えているときに足りないのは、答えをくれる人より、右往左往を見ていてくれる人です。

*

SUMMARYまとめ

孤独は構造で起きる。一人で抱えなくていい

経営者の孤独は、最終決定を一人で負う立場と、本音を話せる相手が組織の中にいないこと、そしてSNSで比較が止まらないことでできています。白書でも、相談相手がいない理由の約7割は「つながりがない」ことでした。性格の問題ではないので、気の持ちようで何とかしようとしなくて大丈夫です。

効くのは、人に会いに行くこと、考えを持って相談すること、自分の価値を利益だけで測らないことです。周りは、あなたが思っている以上にあなたを気にかけています。あとは、あなたが声をかけるだけです。

ビジネスは短期決戦ではありません。過程が楽しくないと続かないので、今日、話せそうな人に一言送ってみてください。その一言から、孤独は少しずつ軽くなっていきます。

FREE MAIL MAGAZINE

経営者の相談の現場を、メルマガで届けていきます

主宰・菅智晃の無料メルマガ「THE GIFT」では、経営者の相談を受け、コミュニティを運営してきた菅自身の体験談と、そこから組み立てた方法論を届けていきます。一人で抱えている段階の方こそ、まず読み物として役立ててください。

無料で読んでみる

登録は無料です。いつでも解除できます。

マーチャントクラブ編集部

WRITERマーチャントクラブ編集部

ビジネスコミュニティ「マーチャントクラブ」の編集部。2014年の開設以来、延べ参加者は約1万人(2026年時点)、本部ほか6支部で活動しています。記事に出てくる主宰・菅智晃の考えや体験は、音声配信「休日会議」での発言と本人への確認にもとづいて書いています。

マーチャントクラブとは