24年間、小資金マーケティングを専門として活動している菅智晃です。小資金で年商1億円事業を6つ構築した経験を踏まえて、運営12年目のマーチャントクラブでの出来事や、実体験で得た考え方をお届けしています。
「経営者 孤独」と検索する夜があること自体、僕は健全なことだと思っています。誰にも言えないから検索する。その時点で、あなたはもう自分の状態をちゃんと見ています。
僕は独立して24年、ビジネスコミュニティを12年運営してきて、深夜の相談も数え切れないほど受けてきました。その経験から先に言えるのは、経営者が孤独を感じるのは、あなたが弱いからでも、人望がないからでもないということです。そして、いろいろな人に話を聞いてきて分かったのは、結局、みんな悩んでいるということでした。
経営者が孤独なのは、あなたが弱いからではない。構造の問題だ。
この記事の結論
- 経営者の孤独は「決断を一人で負う」「本音を話せる相手が構造的にいない」「SNSで比較が止まらない」の3つでできている
- 事業24年、運営12年で実際に効いた対処は3つ。人に会いに行く、考えを持って相談する、自分の価値を利益だけで測らない
- 相談は、待っていても来ない。周りは気にかけていても、求められなければ踏み込めない。声をかけるのは自分から
この記事では、孤独の正体を構造として分解して、実際に効いた対処だけを書きます。「気の持ちよう」の話はしません。
こういう現場での判断や気づきは、非公開のメルマガ「THE GIFT」でも先にお届けしています。
では、本題に入ります。
もくじ
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経営者の孤独は、性格ではなく構造でできている
会社員には、同僚がいます。愚痴を言える相手が、構造的に用意されている。経営者にはいません。最終決定を一人で負うので、迷いを共有する相手がそもそも組織の中にいないんです。
従業員には弱音を見せられない。不安にさせるからです。家族には話しきれない。事業の判断まで背負わせられないからです。友人には伝わらない。前提の説明だけで夜が明けるからです。つまり、経営者に相談相手がいないのは、人望の問題ではなく、構造的に当たり前なんです。
12年間、深夜まで経営者の話を聞いてきて、悩んでいない人には一人も会いませんでした。表に出ている姿がどれだけ順調に見えても、聞けばみんな何かを抱えている。あなただけが弱いわけではない、というのは慰めではなく、観測した事実です。
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SNSが孤独を増幅する。ただし、比較そのものは悪くない
人は社会の中で手を取り合って生きている以上、誰かと比べることは自然に起こります。比較すること自体は、悪いことではありません。この人がいるから自分はこの役回りで行こう、自分はこの場所で力を出そう。そうやって立ち位置を確認するのにも、比較は役立ちます。
問題は、必要以上に比較してしまうことです。誰かに認められたい気持ち、勝ち負けで考える癖、優柔不断な性格、自分に自信がなくて周囲の評価を気にしすぎる状態。こういうものがあると、比較は「自分はダメだ」という方向に働きます。そしてSNSには、すごい人が多すぎる。昔なら見えなかった「自分より上」が、あらゆる分野で常に見えてしまう時代です。
ここで一つ、僕が区別している言葉があります。承認欲求と自己顕示欲は違う、ということです。承認欲求は、誰かに認められたいという受け身の願望。自己顕示欲は、前に出たい、中心になりたいという方向。僕自身は奥に引っ込んでいたい気持ちが強いのですが、認められたい願望はありました。それは誰にでもある。ただ、大衆に認められたいと考え始めると、おそらく苦しくなります。特定の大切な人に認められたい気持ちは力になりますが、対象が大衆全体になると終わりが見えなくなるからです。
勝ち負けも同じです。勝ちに行くタイミングは楽しく見えるかもしれません。でも1位を取ると、今度は追われる立場になる。1位で居続けることは難しく、金額や順位だけで勝ち負けを判断し続ける世界は、終わりのない戦いになります。僕には、その世界は合いませんでした。
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自信の正体は、ホームランではなくヒット
若い頃の僕は、なめられないために周囲の評価を意識していました。どこかで、それに疲れたんだと思います。楽になったのは、ビジネスに関しては周囲がどう思おうが成果は出せる、という自信がついてからでした。
ただしそれは、一発で必ず成功できるという自信ではありません。こけることはある。でも最終的には何とかする。食べていく分には何とかなる。ホームランは打てなくても、ヒットなら出せる。そういう種類の自信です。
この自信があると、人と組めるようになります。逆に言うと、ホームランを打たなければ認められないと思っている間は、人と組むことも、弱音を吐くこともできない。自信の基準を「一発で当てる」から「最終的に何とかする」に下げることが、孤独を軽くする最初の一歩だと思っています。
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24年やってきて、実際に効いた対処は3つだけ
01人に会いに行く
僕の解決策は、昔から一つで、人と会うことです。塞ぎ込んでノートに気持ちを書き出すことも大切ですが、それでパッと進まないなら、Zoomではなく実際に会いに行く。これは精神論ではなく、経験則です。
ある会社の合宿で、僕は講義を一切せず、参加者11人と1人ずつ壁打ちだけをしたことがあります。事前に30個ずつ質問を書いてもらい、合計300問以上を一つずつ答えていった。初日が正式に終わったのは朝3時半でした。そこで見たのは、一人で何ヶ月も止まっていたことが、対話だと1時間で動き出す光景です。知識が足りなかったのではなく、話せる相手がいなかっただけだった。それを何度も見てきました。
02考えを持って、相談する
相談の仕方で、返ってくるものはまるで変わります。「悩んでいます」とだけ持って行くと、相手は「何に?」から始めるしかない。「今こう思っていて、こうしようと思っていて、ここで迷っている。どう思いますか」まで整理して行くと、相手は具体的に返せます。
ノートに書き出すのは、自分だけで完結するためではなく、人に話す前の整理のためです。書いて、会って、話す。この繰り返しで、一人では見えなかった次の一手が見えてきます。
03自分の価値を、利益だけで測らない
人と比べて自信をなくすと、自分には提供できるものがない、自分には価値がないと思ってしまうことがあります。でも、価値は利益だけでは測れません。人を笑わせる芸人さんがまだ稼げていないからといって、価値がないとは誰も言いません。経済的な金額は、尺度の一つにすぎない。
自分にしかできないことを考えるとき、技術だけに注目すると、自分よりできる人は必ずいます。でも、関係値、考え方の共通点、相手が目指す方向、自分が引き出せる領域まで含めて見ると、話は変わります。この人とは考え方がいくつか共通している。この人の能力を引き出せるのは、自分しかいないのではないか。そこまで細かく見ていくと、ここは自分しかいない、という場所は必ず見つかります。
こういう深夜の相談で実際に何が起きているかは、メルマガ「THE GIFT」で先に書いています。
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やりがちなことと、効いたことを一覧にする
孤独なときに人がやりがちなことと、24年の事業と12年の運営で実際に効いたことを、並べておきます。
| 場面 | やりがちなこと | 効いたこと |
|---|---|---|
| 悩んだとき | ノートに書いて、それで終わる | 書いてから、人に会いに行く |
| SNSを見たとき | すごい人と比べて「自分はダメだ」 | 比較を、自分の役回りの確認に使う |
| 自信の基準 | 一発で当てなければ認められない | こけても最終的に何とかする、ヒットの自信 |
| 自分の価値 | 利益と数字だけで測る | 関係値と、自分だから引き出せるものまで含める |
| 相談の仕方 | 「悩んでいます」とだけ伝える | 「こう思っていて、どう思いますか」まで持って行く |
| 相談の順番 | 誰かが気づいてくれるのを待つ | 自分から声をかける |
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孤独が危険水域に入っているサイン
自分の状態を確認できる形にしておきます。当てはまる数が多いほど、早めに人に会った方がいい状態です。
CHECK LIST
- 本当の数字と本当の不安を、誰にも話していない
- SNSを見て「自分はダメだ」と思う時間が、以前より増えた
- 売上や順位の勝ち負けだけで、自分の価値を測っている
- 相談したい相手はいるのに、声をかけられずにいる
- 自分の悩みを「大したことない」と、自分で片づけている
- 挑戦の過程が、楽しくなくなっている
- 最後に人と会って本音を話したのがいつか、思い出せない
5つ目について補足します。誰かにとって重たい悩みが、別の誰かには軽く見えることがあります。逆もあります。でも、本人にとって悩みは重いものです。他人の基準で自分の悩みを軽く扱わないでください。重いなら重い、でいいんです。
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僕自身の話も書いておきます
偉そうに書いてきましたが、僕にも認められたい願望はありました。独立してから1冊目の本を出すまでは、親だけが反対していたので、親に認めてもらいたい気持ちがあった。自分が一方的にすごいと思う人、かっこいいと思う人に認めてもらえたら最高だ、と思うこともありました。
優柔不断でもあります。熱帯魚を買いに昼から店に行って、帰る頃には日が暮れているくらい悩む。優柔不断だからこそ、他者の評価や情報を見て判断しすぎることもある。そういう自分を知っているから、比較で苦しくなる人の気持ちは、他人事ではありません。
だから僕は、相談してほしいと思っています。僕の周囲にも「最近落ち込んでいるらしい」と聞く人がいます。気にはなる。でも、求められていないのにこちらから踏み込むことは難しい。これは受ける側の本音です。周りは、あなたが思うよりあなたを気にかけています。ただ、本人から声がかからない限り、黙って見ていることしかできない。だから、待たないでください。相談された内容は、外に出しません。
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よくある質問
Q経営者は、なぜこんなに孤独になりやすいのですか?
構造の問題です。最終決定を一人で負う立場なので、迷いを共有する相手が組織の中にいない。従業員には不安を見せられず、家族には事業の判断まで背負わせられず、友人には前提の説明から必要になる。話せる相手が構造的に用意されていないのが経営者で、性格や人望の問題ではありません。
Q孤独や比較は、なくすべきものですか?
なくさなくていいです。人と比べること自体は自然で、自分の強みや役回りは比較の中で見えることもあります。問題は、必要以上に比較して「自分はダメだ」と追い込む方向に使うことです。比較をなくそうとするより、立ち位置の確認に使う方向へ向け直してください。
Q誰に相談すればいいですか?
利害の薄い、同じ立場の人です。取引先や社内の人には本当のことを話せないので、答えはたいてい社外にいます。同じ経営者で、商売がぶつからず、口が堅く、答えを押し付けずに引き出してくれる人。役職や資格ではなく、「この人となら話せる」と思えた人が正解です。
Q相談したら、弱い人だと思われませんか?
逆です。僕はよく会う人、よく話す人には、認めているからこそ突っ込んだ話をします。相談を受ける側から言うと、相談してくれる人は「この人には話せる」と信頼してくれた人です。弱いとは思いません。むしろ、周りは求められないと踏み込めないので、声をかけてもらえることを待っています。
Q相談した内容が漏れないか不安です。
その不安は正しいので、相談相手の条件にしてください。僕は相談された内容を外に出しません。当たり前のようで、これが担保されている相手は案外少ない。話が漏れる場所では、本当の数字も本当の弱音も出せません。口の堅さは、相談相手を選ぶ最初の基準です。
Q落ち込みが長く続いていて、仕事にも影響が出ています。
眠れない、判断ができない、といった状態が長く続いて生活に支障が出ているなら、相談相手は経営者仲間ではなく、医療の専門家です。それは弱さではなく、事業を続けるための実務です。この記事で書いた対処は、その手前の段階の話だと受け取ってください。
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まとめ。孤独の解消は、贅沢ではなく経営の実務
経営者の孤独は、決断を一人で負う構造と、話せる相手が構造的にいないこと、そしてSNSで比較が止まらないことでできています。あなたが弱いからではありません。だから、気の持ちようで何とかしようとしないでください。
効くのは、人に会いに行くこと、考えを持って相談すること、自分の価値を利益だけで測らないこと。そして相談は、待っていても来ません。周りは気にかけていても、求められなければ踏み込めない。声をかけるのは、自分からです。
ビジネスは短期決戦ではありません。過程が楽しくないと、続かない。挑戦の過程を楽しんでいる人ほど、結果的に良いところに辿り着くのを、僕は24年間見てきました。孤独を軽くすることは、贅沢ではなく、続けるための実務です。
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