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飯島 裕之
マーチャントクラブ広報委員 / 取材担当の飯島裕之(KunKun)です。この記事では、マーチャントクラブに所属する経営者へのインタビューを通じて、その人の魅力に迫りながら学びをお伝えします。

今回取材するのは、クラブNO.63・株式会社アクラ代表取締役の井坂光博さんです。

品質に定評がある映像クリエイターとして、大手企業を相手にスタッフをまとめながら年間700本以上の動画コンテンツを制作する彼が、クリエイターとして『人に任せる』時の基準は如何なるものなのか?そして彼の名言『映像はつくるものではなく運用するもの』という言葉の真意とは。

映像制作を始めた意外すぎる理由など、赤裸々に語って頂いたインタビュー内容から、井坂光博さんの魅力をお届けします。

映像制作に携わるキッカケは結婚式場のカメラ担当ですけど…やりたかったわけじゃないんです

飯島  井坂さんは、年間で700本以上の動画コンテンツのディレクション制作・運用に携わっているじゃないですか。今となっては当たり前に映像制作のお仕事をされていますが…映像制作を始めたきっかけをお聞きしたいです。

井坂 元々、結婚式場のカメラマンのアルバイトをやっていたんです。けど、最初からカメラマンをやりたいって言って入ったわけではなく(笑)

結婚式の音響ってあるじゃないですか?入場とか歓談中とかのBGMとか。その音響スタッフとしてアルバイト募集していたところに応募して行ったんです。

それで音響スタッフをやっていたんですけどバイト先の事情で「もっとカメラマンが欲しい!」ってことになり「井坂どうだ?」と3ヶ月くらいずっと言われ続けて(笑)

その時はあまりやる気が起きなくて、「いやぁ〜」って誤魔化し続けていたんです。けどその後もしつこく言われ続けて「じゃあ…やります」って感じで結局やり始めました(笑)

飯島  えぇ!その時は趣味でカメラをやっていたとかも無かったんですか?

井坂 まっっったく。全くやってなかったです(笑)

飯島  ちなみに井坂さんは元々(株)KNOCKで加藤芳郎さんとやられてたじゃないですか?その時、加藤さんは同じブライダルの職場でカメラマンとしてやっていたんですか?

井坂 そうですね。彼はカメラマンをやっていて、その時にはもう一流カメラマンになっていました。最前線にいるくらいの…式場ひとつ任せられるくらいの実力でしたね!

飯島  へぇ〜!でも関係性としては同級生ですもんね?

井坂 そうですね。同じバイト先のカメラマンが、僕の隣でバタバタしていたんですけど、僕はずっと座ってミキサーいじくって余興のDVDとか流したり、照明いじったり、そんなことばかりやってましたね。

一番最初は流れ作業の仕事内容でクリエイティビティのかけらもないようなところからスタートしました

飯島  なるほど!そこから、技術とか一から身に付けたって感じなんですね。

井坂 そうです!結婚式場のカメラって2種類あるんですけど、僕がやっていたのは、全体を撮影する方で、披露宴とか式の始まる前のクロークだったりとか、参列者の待ち時間だったりとかを撮影したり。贈り物が届くと思うんですけど、そういったものを撮影したり。

なので、一番最初は『三脚にカメラをつけて録画ボタン押して!』って感じでしたね。ズームしたり引いたり、本当にもう流れ作業って感じで…クリエイティビティのかけらもないような(笑)そんなところからスタートしましたね。

なので、最初はカメラを面白いとも思わなかったし、やっていくうちに出来ることが増えていってどんどん楽しくなっていったって感じですね。

現場では披露宴がスタートしたら時間がどんどん過ぎていくんですけど、僕だけのカメラではなくてもう一台カメラがあるんですよ。片方は三脚のカメラ(Aカメ)、もう片方は手持ちのカメラ(Bカメ)。

で、手持ちのカメラの人はバタバタ走り回って撮るから、AとBで上手く連携を取らなければいけないんですけど、その連携がどんどん楽しくなってきて!

Bカメであの画をおさえているから、Aの僕はこの画を撮っといた方が良いだろう!みたいな感じで、1年くらいやっていたらイメージしながら動けるようになりました。

それからしばらくしたら手持ちのカメラでも撮影を任されるようになって!その辺りからですね、本格的に楽しくなってきたのは。

飯島  ありがとうございます。

プロモーションの場合は動画も運用するものなので、クライアントに寄り添い同じ目線に立つことが大事

飯島  あとは、井坂さんの言葉で『映像は作るものではなく、利用するもの』っていうのが印象的だったんですけど、この辺りの考えをお伺いしたくて。これって要するに『作って終わりじゃないよ』っていう、そういった意味合いですか?

井坂 僕らからしたら、映像制作をして納品してそれで終わり。でも、クライアントからしたらエンドクライアントがいるわけで。

例えば、僕の主なお客さんはプロモーション会社なんですけど、プロモーション会社はその映像を使ってプロモーションをするわけですよね。つまり、僕のクライアントの更にもう一つ先にクライアントがいるわけなんです。

業務の範疇だけで考えたら、クライアントで終了なんですけど『その映像が運用されてエンドクライアントにどう届くか』までをちゃんと想定して作らないとプロモーションの映像として成り立たないというか。

飯島  あぁ〜たしかにですね!そういう意味から出た言葉でしたか!

井坂 プロモーションの場合は動画も運用するものなので。シンプルに制作会社だけの視点だと、埋もれちゃうわけですよ。そこらへんの映像作れる人と全く同じになっちゃう。

なので、クライアントに寄り添う形で、クライアントと同じ目線に立つことが大事ですかね。作って終わりだと、他の人とあんまり変わんないかなぁと思いますね。エンドクライアントを見定める!ってことだと思います。

飯島  やっぱりそこまで考えてない方も多いんですか?

井坂 僕、あまり他の制作会社の方の知り合い多くないので、何とも言えないんですけども…でもあまりいないんだと思います。だから重宝してもらえている!ってところもあるのかなと思っています。

飯島  ありがとうございます。

完成度を押しつけすぎるとスタッフさんのテンションが下がるからある程度自由にしてる

飯島  最後に…コレは僕たちとしては以前飲みの場でも話してたことなんですけど、井坂さんはスタッフを抱えてお仕事されているじゃないですか。

クリエイティブな部分を任せる難しさや葛藤があると思うんですが、例えば自分が想像しているものより劣化して上がってくる事もあるかと思うんです。

そういった局面で、どういう考えでどのようにやっているかってところをお聞かせください。

井坂 『成果が出るかどうか?』でしか見ていないですね。『クライアントが首を縦に振るかどうか?』をまず考えます。仮に僕が作っていなくて、他の人が作ったやつで、クライアントさんがOKしてくれそうだなと思ったら第一関門突破です。

飯島  なるほど!井坂さんがまずはその基準で判断するんですね!

井坂 そうです、そうです!そこに関しては僕の中での完成度とかは一旦置いておくことにしています。終わらなくなっちゃうんで。

僕の完成度を押しつけすぎると、スタッフさんのテンションが下がると思うんですよ。なので、ある程度自由にやってもらうようにしていますね。

例えば、「ここはこの色にしてくれ」とか「ここはこういう風にしてくれ」とか細かすぎる事は言わないようにしています。画面のデザインにしても、自分だったらココにこの色使わないなってこともあるじゃないですか!?でもその色であがってきたら「なるほど、そうきたか!」っていう感覚で終わらせる。「なるほど面白いな!それもアリか!」みたいな。

飯島  へぇ!その時に井坂さんの中のクオリティの部分で、基準を満たしていれば、あとはクライアントさんが首を縦に振るか否か?で判断しているってことですね。

井坂 そうですね、最低限のラインはあります。でも、業務レベルで明確に分けるようにしています。

『僕が絶対に納得のいくレベルで出さないといけないセクション』と『これだったら最低限成果に繋がるなとクライアントさんも判断してくれるだろうというところ』と。…って、これ、クライアントさんに聞かれるとアレなんですけどね!!(笑)

でも、実際そういう風にセクションごとに明確には分かれてはいますね。その線引きをちゃんとした上で、スタッフが上げてきたものをちゃんと見て、判断するというところですかね。

「あぁ〜なるほどなるほど!」って感じで楽しみながら一緒にお仕事していますよ(笑)

飯島  井坂さん!ありがとうございました!

クラブNO.063 井坂光博プロフィール

株式会社アクラ 代表取締役 井坂光博


1991年8月5日生まれ北海道出身。
プロフェッショナルとしてクライアントを支える事を一貫したクエリエイター。

大学3年生のときに映像制作会社起ち上げ。その後個人事業主として活動後、株式会社アクラ設立。年間700本以上の動画コンテンツのディレクションと制作・運用を請け負う。

『映像はつくるものではなく運用するもの』と捉え、映像をつくって終わりではなく、どのように運用するのかを想定した上でクリエイティブを設計すること事が強み。マーチャントクラブでの登壇回数も多数あり、マーケターとしての一面も持つ。

・東証一部上場企業の運営するアプリの動画内製を支援(年間700動画)。SNSアカウントのフォロワー数再生数共に業界トップに。

・湘南の某整骨院のWEB広告動画のシナリオライティングと制作を担当。売上高単月5倍を達成。

・戦略コンサルティングを担当したクライアント全員が月商100万円以上を達成

インタビュアー / 飯島裕之

飯島裕之(kunkun)/ 企画構成作家


1985年東京都江戸川区生まれ。企画構成作家、HIPHOPクリエイター。

2016年の12月、菅智晃氏からの教材購入をきっかけにアフィリエイトに参入。開始1年で会社員としての月収を超え個人事業からの収入基盤を確立。

その後、総購入者数7千人を超える人気ビジネス教材の講師に就任、5万作の電子書籍の中から優秀賞を受賞するなど瞬く間に頭角を表す。これまでの指導実績は上場企業も含め7社・500人以上。

現在、数多くのイベント主催から培った企画力・Web販売から培った販促力を機軸に、売上に伸び悩む実業家やクリエイターの『Web制作』『サービス設計』『企画提案』などプロデュースに従事。裏方として黒衣に徹しながらも、ブレイクダンス/グラフィティアートなど、エンターテイメントの分野に長く生息してきた事からHIPHOPクリエイターとしての顔も持ち合わせ、アート創作の仕事もひっそりと受注を続けている。

井坂光博さんのインタビュー前編も合わせてご覧ください。