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MERCHANT CLUB
コラム 読了目安 約14分

経営者は誰に相談すればいい?悩みの種類で分ける相談相手の選び方と頼り方

マーチャントクラブは、2014年に開設した経営者のためのビジネスコミュニティです。このコラムでは編集部が、クラブで見てきたことや主宰・菅智晃の考え、公的なデータをもとに、経営者の悩みに役立つ情報をお届けしています。

経営の悩みを一人で抱えたまま、誰に相談すればいいのか分からずにいる方は少なくありません。経営者が誰に相談すればいいかは、悩みの種類で変わります。数字や税金、手続きの悩みは税理士などの専門家に、判断の迷いや人間関係の悩みは、利害が薄く、あなたの事業の状況を分かってくれる経営者仲間に持っていくのが合っているでしょう。役割で分けて考えれば、一人で抱えていた重さは、ずいぶん軽くなるはずです。

悩みの種類で分けて持てば、頼れる相談相手は見つかります。

この記事の結論

  1. 経営者が誰に相談するかは、悩みの種類で分ける。数字と手続きは専門家、判断の迷いと人間関係は事業の状況を分かってくれる経営者仲間
  2. 相談相手の条件は3つ。利害が薄い、口が堅い、相談の重さに合わせて真剣に向き合ってくれる
  3. 準備して持ち込み、最後は自分で決め、結果を報告する。それが長く頼れる関係をつくる

マーチャントクラブには、2014年の開設以来、多くの経営者が集まってきました。主宰の菅智晃のもとに届く相談も、約6割はビジネスそのものより人間関係の相談だといいます。この記事でお伝えするのは、相談相手の選び方と見つけ方、そして長く頼れる関係にするための相談の仕方です。記事の中の主宰・菅智晃の話は、菅が毎週配信している音声番組「休日会議」での発言がもとです。読み終えたとき、声をかけてみたい人の顔が一人でも浮かんでいたら、とても嬉しく思います。

では、本題に入ります。

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経営者は誰に相談すればいい?悩みの種類で相手を分けます

経営者の相談相手は、悩みの種類で分けて持つのが現実的です。2020年版の小規模企業白書(中小企業庁)によると、日常の相談相手として最も多いのは、企業の規模を問わず「税理士・公認会計士」でした。小規模事業者では、2番目に多いのが「同業種の経営者仲間(取引先を除く)」です。

数字や税金、契約、手続きの悩みは、税理士や弁護士といった専門家が頼りになります。一方で、事業の方向に迷っているときや、人との関係に悩んでいるときは、専門家の守備範囲から外れることも少なくありません。そうした悩みは、利害が薄く、事業の状況を分かってくれる経営者仲間のほうが受け止めやすいのです。

家族には、深刻な相談より、「AとBのどちらにしようか」といった軽い相談をしたり、感謝を伝えたりするくらいがちょうどいいでしょう。主宰の菅も、家族に心配や負担をかけたくないという思いから、深刻な相談はせず、軽い相談をしたり感謝を伝えたりすることを大切にしています。役割で分けて考えれば、頼れる相手はきっと見つかります。

専門家 税理士・弁護士など 数字・税金 契約・手続き 経営者仲間 利害が薄い・商売がぶつからない 判断の迷い 人間関係の悩み 家族 心配をかけない 軽い相談をする 感謝を伝える 一人に全部を任せず、悩みの種類で相手を分ける

出典:中小企業庁「2020年版 小規模企業白書」第3部第2章第4節 日常の相談相手の活用

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本音で話せる相談相手は、多くの経営者が求めている

相談相手がいないと感じているのは、あなただけではありません。EO Tokyo Centralが2026年6月に全国の経営者1,376名に行った調査では、「本音で相談できる相手はいない」と答えた人が27.2%いました。約4人に1人の割合です。

相談相手がいないのは、人望の問題ではありません。最終決定を一人で負う立場だと、社内にも家庭にも、本音を打ち明けにくい事情が生まれます。その仕組みは経営者の孤独をやわらげるには?で詳しく書いています。相談相手がいないのは、決して珍しいことではありません。いないのが普通なので、今日から作りに行けばいいのです。

出典:DXマガジン「会社の規模が大きくなるほど相談相手はゼロに…? 1,376人の本音から見えた経営者のリアル」

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経営者の悩みの多くは、人間関係にあります

主宰の菅のもとに届く相談も、約6割はビジネスそのものより人間関係の相談だといいます。家族のことや身近な人との関係は、税理士やコンサルタントには持ち込みにくく、社内ではなおさら話しにくい悩みでしょう。

なので、人間関係の悩みこそ、事情を分かってくれる経営者仲間に向いているのです。専門家に持ち込めない悩みを話せる相手が一人いるだけで、抱え込むものは大きく減ります。 菅自身も、自分が相談するときは、信頼できる仲間に話しているそうです。話せる相手が一人いるだけで、明日からの足取りは軽くなります。

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相談相手に必要な3つの条件

相手を選ぶときに見てほしい条件は、利害が薄いこと、口が堅いこと、そして相談の重さに合わせて真剣に向き合ってくれることの3つです。

01利害が薄いこと

取引先や社内の人には、本当のことを話しにくいものです。相手の利害が絡むからです。本当の数字や本当の不安、迷っている選択肢を出せるのは、利害の薄い相手だけでしょう。同じ経営者で、商売がぶつからない人が向いています。役職や資格よりも、まずこの条件を見てください。

02口が堅いこと

話が外に漏れるかもしれない相手には、本当の数字も本当の弱音も出せません。口の堅さは、相談相手を選ぶうえで欠かせない条件です。

見分ける手がかりは、ふだんの話し方にあります。主宰の菅は、相談する相手を選ぶとき、いろいろな人の愚痴を口にしている人には相談しないようにしているといいます。その場にいない人の話を気軽にする人には、自分の本当の話も預けにくいものです。

03相談の重さに合わせて、真剣に向き合ってくれること

相談したいことは、いつも同じ重さではありません。話を聞いてほしいだけのときもあれば、深刻な状況で、相手の実体験から答えがほしいときもあるでしょう。どちらのときも、こちらの相談に真剣に向き合ってくれる人を相談相手に選んでください。

菅も相談を受けるときは、聞き役に徹することもあれば、自分の経験から答えを返すこともあります。深刻な相談や、答えを求められている相談には、真摯に向き合うことを大切にしています。そんな相手と出会えれば、相談はあなたの大きな支えになるでしょう。

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相談が深くなる、持ち込み方

相談の深さは、持ち込む前の準備で大きく変わります。「悩んでいます」の一言だけだと、相手も「何に?」から聞くしかないでしょう。今どう思っていて、どうしようとしていて、どこで迷っているのかを少しだけ整理してから会いに行けば、相手も具体的に返しやすくなり、相談の時間がぐっと実りあるものになります。

01自分の課題を、質問の形に書き出す

2023年11月、菅はある会社の合宿で、参加者に事前に30個ずつ質問を書いてもらいました(休日会議#501)。書かれた質問を見ると、その人が何を理解していて、どこが分かっていないのかがはっきり見えてきたそうです。書き出せた質問は、そのまま相談の材料になります。

02開くのが楽しみだと思われる連絡をする

相談は、会う前のメッセージから始まっています。連絡するのが、売り込みやお願いごとのときだけになっていないでしょうか。「この人からのメッセージは、いつも売り込みかお願いごとだ」と思われてしまうと、相談の連絡も開いてもらいにくくなります。

2017年の放送(休日会議#169)で、菅は「この人からメッセージが来たら、何かいいことがあるのかな、楽しいお誘いかなと思ってもらえるほうがいい」と話しています。「この人からの連絡を開くのが楽しみだ」と思ってもらえる関係を、ふだんから作っておいてください。 それが、いざというときに相談を聞いてもらえる土台になります。

1 準備する 考えと迷いどころ 質問を書き出す 2 相談する ふだんから連絡し 会いに行く 3 自分で決める 答えは材料として 受け取る 4 報告する その後どうなったか を伝える この4つがそろうと、相談は一度きりで終わらず、長く頼れる関係になる

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相談相手は、どこで見つけるか

相談相手は、経営者が継続して集まり、お互いの事業の状況を知っていける場で見つかりやすくなります。経営者の集まりに参加している人ほど相談相手を持っている、という傾向は、白書の別の図にも表れています。

ただ、同じ場にいる会員でも、起業を準備している人と長く事業を続けている人とでは、抱えている悩みも見えている景色も違います。同じコミュニティの仲間だというだけで、相談相手になるわけではありません。その中から、あなたの事業の段階や状況を分かったうえで話を聞いてくれる人を見つけてください。

ただし、人数を増やせばいいわけではありません。2015年の放送(休日会議#085)で菅が話したとおり、1000人、2000人と知り合っても、濃いつながりを持つのは難しいものです。少人数でしっかり輪を深めていける場では、人生が変わるほどの出会いも少なくありません。場を選ぶときは、体験参加で、相談や質問に真剣に向き合ってくれる人がいる場所かどうかを確かめてください。

場や相手を見極めるときは、自分のサービスを勧めることにこだわらない人かどうかも見てください。菅は相談を受けるとき、フラットな立場で最適な提案をすることに徹しています。その最適解が、自分のサービスではなく、ほかの方やほかのサービスの紹介になる場面もあるといいます。2024年に、あるセミナーの参加者へ個別に返信したときも、伴走を提案した方、助言を伝えた方、別の方を紹介した方がいました(休日会議#532)。相手にとっての最適解を提案してくれる人は、あなたの利益を第一に考えている人です。

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相談したあとは、自分で決めて、結果を報告する

相談で返ってきた答えは、材料として受け取り、最後は自分で決めてください。同じ2017年の放送(休日会議#169)で、菅は答えを待つだけの人が多いと話しています。返ってきた答えを自分の判断に変えていけるほど、相談はあなたの力になっていきます。

決めて動いたら、その後どうなったかを相談相手に報告してください。教えてくれた人にとって、いちばん嬉しいのは、相手が結果を出してお礼を言いに来てくれることです。「おかげで、こうなりました」の一言は、相談に乗った人の何よりの励みになります。

相談に乗る立場の気持ちについて、菅は「相手がアドバイスを求めていなくて聞き役のみだったとしても、根っこで必要とされていることは嬉しい」と話しています。「相談が増えれば増えるほど、自分ができそうなことやアイデアにもつながる」「自分を経由して1mmでも元気になってもらえたら、それだけでも生きている価値があった」とも語っています。どうか遠慮しすぎずに、声をかけてみてください。あなたの相談を待っている人は、きっといます。

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相談がうまくいかない人と、うまい人の違い

相談がうまくいく人と、うまくいかない人の違いを並べます。

観点うまくいかない人相談がうまい人
相手の選び方肩書きや実績だけで選ぶ悩みの種類で、専門家と仲間を分ける
持ち込み方「悩んでいます」とだけ伝える今の考えと迷いどころまで整理する
準備整理せずに会う質問を書き出してから会う
ふだんの連絡売り込みやお願いごとのときだけ開くのが楽しみだと思われる連絡を送る
返ってきた答え正解として鵜呑みにする材料として受け取り、自分で決める
相談のあとそのまま終わる結果を報告する

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相談相手を選ぶチェックリスト

候補になる人を思い浮かべながら確かめてみてください。当てはまる数が多いほど、本当の話を持っていける相手です。全部そろっていなくても大丈夫なので、気になる人がいたら、まずは一度話してみてください。

CHECK LIST

  • 取引や社内の利害が絡んでいない
  • あなたの事業の状況を知っていて、商売がぶつからない
  • いろいろな人の愚痴を口にしていない
  • 聞いてほしいときは聞き、答えがほしいときは実体験から答えてくれる
  • 自分のサービスに限らず、あなたに最適な提案をしてくれる
  • この人となら本当の話ができる、と思える

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よくある質問

Q家族や従業員に相談するのは、やめた方がいいですか?

いいえ、やめる必要はありません。ただ、相談の重さで分けるとよいでしょう。主宰の菅も、家族に心配や負担をかけたくないので深刻な相談はしない一方、「AとBのどちらにしようか」といった軽い相談はよくしていて、感謝も伝えているそうです。深刻な判断は利害の薄い社外の経営者に、軽い相談と感謝は家族に、と分けると、どちらとの関係も楽になります。

Q税理士やコンサルタントに相談するのは、どうですか?

数字や手続きの悩みなら、いちばん頼りになる相手です。白書でも、最も多い相談相手は税理士・公認会計士でした。見るべきは、こちらの相談に真剣に向き合ってくれるかどうかです。数字の答えだけでなく、あなたの事業の状況まで踏まえて話を聞いてくれる相手を選んでください。

Q相談したい内容が、自分でもまとまりません。どうすればいいですか?

まとまっていなくても大丈夫です。ただ、「今こう思っている」だけは書いてから行ってください。それも書けないなら、自分の事業について質問を30個書き出してみる方法があります。書けた質問が、そのまま相談の材料になります。

Q相談ばかりしていると、依存になりませんか?

答えを待つだけの関係なら、依存になります。返ってきた答えを材料にして自分で決めているなら、なりません。見分け方は、相談のあとに「自分で決めた」と言えるかどうかです。最後に決めるのは、いつもあなたです。

Q相談相手は、何人くらい必要ですか?

人数より、「この人となら本当の話ができる」と思える相手が1人いるかどうかです。1000人と知り合っても、濃いつながりを持つのは難しいものです。まずは1人、利害が薄く、口が堅く、真剣に向き合ってくれる相手を見つけてください。

Q無料で相談に乗ってもらうのは、失礼ですか?

いいえ。主宰の菅も、好きで相談に乗っていると話しています。配慮として大事なのは、準備して持ち込むことと、その後どうなったかを報告することです。報告は、相談に乗った人にとっていちばん嬉しいお礼になります。

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SUMMARYまとめ

相談相手は、悩みの種類で分けて持つ

経営者が誰に相談すればいいかは、悩みの種類で変わります。数字と手続きは専門家に、判断の迷いや人間関係は、利害が薄く事業の状況を分かってくれる経営者仲間に持っていくのが合っているでしょう。本音で相談できる相手がいない経営者は約4人に1人いますが、いないのが普通なので、今日から作っていけます。

相手を選ぶ条件は、利害が薄いこと、口が堅いこと、相談の重さに合わせて真剣に向き合ってくれることの3つです。準備して持ち込み、最後は自分で決め、結果を報告すれば、相談は長く頼れる関係に育っていきます。

まずは、今いちばん迷っていることを、質問の形で1つ書き出してみてください。その1行が、頼れる相手と出会うきっかけになります。

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マーチャントクラブ編集部

WRITERマーチャントクラブ編集部

ビジネスコミュニティ「マーチャントクラブ」の編集部。2014年の開設以来、延べ参加者は約1万人(2026年時点)、本部ほか6支部で活動しています。記事に出てくる主宰・菅智晃の考えや体験は、音声配信「休日会議」での発言と本人への確認にもとづいて書いています。

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