第110回目となる定例会講義のテーマは、「これからの小規模事業者のビジネスのあり方について、AIとメタバースという新しい時代の視点からビジネスを考える」です。
講師はマーチャントクラブ役員の佐藤旭さん(以下、旭さん)です。
この記事は、本部ライターデビューのかおるーん こと 坪内 薫がお届けします!
今回の講義では、コロナ禍に入って目まぐるしく世の中が変わっている中、起業家として活動する我々はどうやって生き抜いていくかを考えていかなくてはならないという部分を、旭さんが一年かけて得たもの・学んだものを共有してくださいました。
また、今回はマーケティングやセールスのテクニックの話ではなく、2024年の活動に活かせるヒントに繋げていけるように、具体例だけではなく体験やワークを含めて体に落とし込んでいく回です。
毎年新しいものが次々と現れますが、今回の話の中心となるメタバースや生成型AIもその一つです。
しかし、情報更新や進歩の速度がとにかく早い昨今。メタバースやAIも例外なくどんどん情報が更新されていき、自分たちにとって必要な取捨選択をするスキルが求められています。
「新しいものがどんどん出てくるけど、何を選択し、どう活用しよう?」
このような問いに答えてくれるのが今回の講義です。
なぜなら、旭さんがシェアしてくださるお話は、どのように我々がメタバースやAIに理解を示し活用していけばいいかという具体的なイメージが持てる情報ばかりだからです。
ネットに溢れる情報に溺れそうになっている私たちをシンプルに整理してくださる時間ですので、ぜひメモをとりながらご覧になっていただきたいです。
講師 佐藤旭 プロフィール
北海道出身。
WordPressを使ったWeb制作に道を見出し2015年に起業。
ブログは2013年よりスタート。
ブログ等Webメディアを活用した来客されるメディアとビジネスモデルの構築と専門に教えるコンサルタント。
WordPressブログ運営開始から約2年の期間、『アクセスなし』『売り上げなし』『集客ゼロ』に苦しむも、その後既存記事を『リライト』する手法で検索1位にする独自のノウハウを確立。
運営メディア「UP Blog」:激戦区「ブログマーケティング」分野において5年間 検証サイクルを回し続けた結果、ビッグキーワード・ミドルキーワードともにSEO検索結果上位を多数獲得。
アドセンス広告収益のみを狙う「ブロガー型メディア」ではなく、同一ブログ上にて物販・コンテンツ販売・自社オンラインサロン販売・自社コンサルティングサービス販売を多面展開する「集客用資産メディア」の構築を個人・法人クライアントに指導。
WEB経由の売上記録更新、ビッグキーワード上位獲得等の指導実績 多数。
これまでに自信が運営するオンラインスクール、コンサルティングで延べ200名、10社を超える指導実績を持つ。
現在は、企業のWebマーケティング支援のほか、起業家のAIを活用した集客・販売プラットフォームづくりを支援するUP Guildの主催や、メタバース関連の発信や活動を行っている。
クラブ内登壇歴
第24回2周年記念講師
第27回東京勉強会講師
第38回東京勉強会講師
第43回東京勉強会講師
第58回東京勉強会講師
第86回東京勉強会講師
第98回東京勉強会講師
著書
『UP-BLOG』はAmazonのSNS・ブログカテゴリーでベストセラー1位を獲得。
運営サイト
講義内容
2030年に78兆円の市場規模!メタバースで作る新しいビジネス・生き方
今回の講義は、これからの小規模事業者のビジネスについて、前後編それぞれで異なる視点から考える構成になっていました。
まず、前編ではメタバースについてのお話でした。
「そもそもメタバースとは何か?」から始まり、実例、そして体験へと移ってゆく流れです。
メタバースとは?
メタバースとは、インターネット上に構築された三次元の仮想空間やサービスを指す言葉。
メタバース上で人々は、アバターと呼ばれる仮想の自分を通じて、この仮想空間で自分自身を表現し、コミュニケーションを取ったり、創作や経済活動など、様々な活動をすることができるというところが特徴的。
メタバースに対する具体的な概念や定義に関して世界中の有識者の間で提案されていますが、実は、統一された見解が存在ないと言います。
そんな中で、最有力とされているのが、以下の定義だそうです。
※この定義は、メタバース進化論(バーチャル美少女ねむ著)からの抜粋です。
- 空間性
- 自己同一性
- 大規模接続性
- 創造性
- 経済性
- アクセス性
- 没入性
これらを旭さん的に言い換えると、
- 空間が限定的ではなく
- アクセスできる手段が多数あり
- 最新テクノロジーが使われ、より没入感がある空間で
- 自分のアイデンティティーを反映したアバターで
- 同時接続する多数のユーザーと交流でき
- 自らも空間やアイテム、イベントを創造し
- 経済的活動も行うことができる空間である
これらを満たすものがメタバースという見方をしているとのことでした。
オンラインゲームとの違いなど、混同されがちですが、こうしてみると確かにこれまでとは異なるものだ。ということが分かります。
メタバースってオワコン?
そんなメタバース。「バズワードだ(一過性のものだ)」という見解が多くあるそうですが、驚くことに実際は2021年で4兆2640億円の市場があり、2030年には78兆8705億円まで拡大すると予想されている伸び代のある爆発的に伸びている市場とのこと。
そして”オワコン”を唱えているのは、メルマガやブログ、YouTubeは終わったと言われているが、実際に使っていない人や活用できていない人が(場合によってはポジショントークで)言っていることと同じだと言います。
メタバースを選んだ理由
専門的な話が続くと思いきや、途中でとても興味深い「メタバースを選んだ理由」についてのお話がありました。
なんでも、高校時代のオーストラリア海外留学で触れたインターネットで検索やオンラインゲームでいろんな人と出会い交流をして、言語や場所に囚われず世界中の人と同じ目的を持って接することができるインターネットの可能性に触れ魅力にハマってしまった。
そしてその感動が今インターネットを使って活動をしている根本になっていて、インターネットの黎明期と今のメタバースの状態がとてもにていて面白みを感じ、自分のやりたいことだと信じ本格的にメタバースでの活動プロジェクトWorweld(ワーヴェンド)を立ち上げ活動をスタートさせ、様々な事業に関わりにどんどん見える世界も、できることも広がっていったと言います。
ここには特に、ネトゲ廃人だった私も共感!
旭さんがインターネットにハマっておられた高校生の頃、私もインターネットをはじめダイアルアップ回線でピーガーヒョロロロロと従量課金で接続し、月に4万円も通信費を使って母に大目玉をくらったことを覚えています(苦笑)
私自身もオンラインゲームに廃人レベルでハマり、仮想空間で実際の人といろんな場所から繋がり、同じ目的のために集い、交流し、進化していく楽しさを味わっているので、旭さんがメタバースでわくわくされている感覚が手に取るように伝わってきました!
ゲームで新エリア拡張アップデートがされ、どこに何があるんだ、マップもない中どう進むんだ、どこにどんな敵がいるんだとわちゃわちゃしながら仲間と歩んでいく楽しさを、旭さんは様々なプロジェクトを通じて真剣にビジネスとして展開されているんだろうなと、その背中を拝見している私までわくわくさせていただいています。(あ、すいませんつい熱くなってしまいましたw)
メタバースは全く新しいバーチャル空間ではない
また、全く新しい未知のものだと解釈されがちなメタバースですが、現代社会のソーシャル社会の延長線上に存在していると言います。
その中でも興味深かったのが、課題も多いが「これまでに実現できなかったことが実現可能になってきている」活用次第で可能性が広がる場所であるといえる。というお話でした。
その裏付けの一つとして、NTTが現在2030年をめやすに6Gの開発を進めており、次世代モデルの発展により100億台の同時接続を目指していることから、2030年がメタバースの成熟期を迎える目安とされているというお話も。
この他にもいくつかの事例を交え、お話をされる中で
メタバースをどう使おうではなく、メタバースで自分のやってることを立体化させられるか?
そうすることでどんな情報を伝えられるようになるだろう?という視点が大切だ。
というメッセージを残してくださりました。
まだまだ事例はあまりない。だから自分たちが事例を作れば自分が元祖になる、今だからチャレンジしていける。
今じゃないとファーストペンギンになることはできないと思うと、どんどん挑戦していきたい領域だとおもいました。
メタバースを散策してみよう
前半講義の最後は、実際に制作中のメタバースを参加者全員で体験する機会がありました。
名付けて「マーチャントクラブ本部のメタバースを体験!」
マーチャントクラブを中世洋ファンタジーの王国に見立て、城下町には各支部の砦が点在したメタバース。
「マーチャント王国を支部の皆さんに守ってもらおうと思っている。」なんて話から、どこを誰が守るなんて話で盛り上がりました。
一見すると難しそうと思うメタバースも、このような形で遊び心を取り入れることで受け入れやすくなるんじゃないかなと思いました。
整理してだいぶわかりやすく説明していただいたメタバースですが、実際に体験したこの時間がめちゃくちゃ盛り上がりました!
誰かが作ったワールドにログインするのではなく、旭さんが作ったマーチャントクラブ王国という世界をマーチャントクラブメンバーが走り回るシーンは胸熱でした。
メタバースは頭で理解し要するよりも、みて触れて体験して、どう自分の展開に活かせるかというアイディアを拾い集めていくのがいいんじゃないかなと感じます。
突如始まったAI時代我々小規模事業者はどう生き抜いてゆこう?
講義の後半は、23年で大きな話題となった生成型AI「ChatGPT」にスポットを当てたお話でした。
今までは企業が使っていた、企業がAI を使ったサービスを出していたものが、個人が使えるようになったということがとても大きな変化です。
賛否両論ありますが、「AIが良し悪しではなく、流れとして捉えることが大事だ。」と旭さんは言います。
その上で、「法律、肖像権、著作権、音源を傷つけないなど、人として守るべきものを守り、最大限リスペクト、尊重した上で差分を部分的に補える手段として有効活用するものだということが僕がこの1年間チャットGTPを活用してきておもったことです。そしてこれはこれはメタバースでも同じことが言えます。」と続けます。
ChatGPTの活かし方
後半の講義も、前半同様に座学だけでなく、実際に旭さんがつくったプロンプトを体験しながら使い方を考える時間が設けられました。
この他にも、具体的活用方法として
- FAQやメールドラフト作成
- アイディア生成サポート
- 営業・マーケティングサポート
- 市場調査のサポート
- 競合分析のアシスタンス
など、これまでは悩んだり、場所を変えたり散歩に行ったりして今まで出してきたアイディアやきっかけがAIを活用することで提案してもらえるという実例も紹介されました。
また、
・役割を与えることでより自分が欲しい精度の高い回答や、質の高い壁打ちができることは個人にとってとてもありがたい機能があること。
・プロンプトの仕組みを知ることでより少ないやり取りで精度の高いアイディアを生み出してくれる。どのように指示を出すのか、どのように問いかけるのかという部分を工夫するのは人間の対話における工夫と変わらないものがある。
といったことから、作業効率の面を見ても月額3,000円程で雇える社員だと思えば課金する意味は大きいと言います。
この他にも、テキストから楽曲を作ってくれる生成AIの紹介や体験など、「AIとの向き合い方や活かし方」について考える機会となりました。
いろんなAIサービスが増えているからこそ、あれもこれも使ってみたくなりますし、課金したくなって実際課金したのですが、旭さんは現時点でChatGPT4.0で十分だとおっしゃっています。
使い方によって適切なAIサービスはあるでしょうが、どのツールを使っても最後に答えを出すのは自分だということを忘れずに関わることの重要性を教えていただけて、どのツールやAIがいいんだろうとジプシーすることを止められました。
かおるーん的おすすめポイント
ここからは、ライターかおるーんが「ここは特にチェックするべき!!!」と思ったポイントについてお話させていただきます。
主観を通しての話となりますが、動画視聴の際に参考にしていただければと思います!
メタバースもAIもよくわからない、難しそうだから、自分は個人だし関係ないと避けて通ってしまいがちですが、インターネットがこれだけ当たり前の世界になるなんて、10代後半でインターネットをネットスケープやニフティサーブで始めた頃には想像していなかった未来です。
でも今の子供達は、インターネットや検索、メタバースがある状態で育っていきますから、当たり前に使いこなしていく未来を想像するのは容易です。
2030年はまだ先のことだと思ってしまいますが、たった6年後の未来。今からどれだけ関わり、経験値や体験回数を増やし、回路を育て引き出しを増やし続ける行動をやめないことがメタバースやAIだけでなく情報に振り回されないために大切なことだと感じます。
もうメタバースやAIがない世界は来ません、だからこそまずこの講義で頭の中を整理して、体験してみて欲しいなと感じました。
第110回マーチャントクラブ定例会 講義ビデオ
突如始まったAI時代 – 我々小規模事業者はどう活用し、どう生き抜いてゆこう?
– メタバースでつくる新しいビジネス・生き方 –
講義全編
前編:1時間27分8秒
後編:1時間5分55秒
マーチャントクラブのメンバーは過去の講義ビデオをいつでも振り返る事ができます。(講師によっては当日参加者のみに公開する部分があり、講義ビデオでカットしています。)また、勉強会では交流会も含めて自由に質問が出来る環境がありますので、当日参加をお勧めいたします。
講義ビデオは予告なく公開を中止する事もありますので、メンバーは極力講義ビデオに目を通して、理解を深めていただければと思います。
※過去の講義となりますので講師の方々へ直接の質問はご遠慮ください。クラブメンバーの方で、わからない部分や聞いてみたい事は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。勉強会のテーマも随時募集しております。